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ネコで異世界を生きる  作者: 光晴さん


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第62話 生き残った者たち




帝国騎士は、武者ゴーレムとの戦いの中で勝機を見出した。

それは、自分たちが戦っているすぐ近くで

死んでいない見方の兵士たちを治療している小僧を殺すこと。


小僧が作り出したゴーレムなら、小僧が死ねばいなくなるはず。

帝国騎士は、戦いの中でタイミングを計っていた。

そして…


「今だ!」


その言葉と同時に、治療をしている小僧に帝国騎士の剣が振り下ろされる。

絶対によけれない、邪魔も入らないタイミング。

「もらった!」


そして、帝国騎士の剣が小僧を切る直前で剣の軌道が変わる。

剣はケロを切ることなく、空を切り帝国騎士に衝撃が走る。

「……がふっ」


わき腹を抑え、その場にうずくまる帝国騎士。

いったい何が起きたのか、この痛みはなぜなのか分からないまま

帝国騎士は、頭を上げて小僧を見る。



「あなたが、俺を狙っているのはわかってましたよ」

痛みに頭が追い付かない。

「な、なにを、した…」


帝国騎士は痛みに耐えて、何とか立ち上がろうとする。

「あなたの剣の軌道を変えて、懐に入りわき腹を1発殴りました」

「うおおおぉぉぉ!!」


帝国騎士は気合を入れると、俺に向かって戦いを挑もうとする。

俺は、それを後ろに飛んで回避し

「あなたは、痛みで肝心なことを忘れている」


帝国騎士が、何か言おうとしたとき後ろから武者ゴーレム2体によって

帝国騎士は切られ、絶命した。

武者ゴーレムは、帝国騎士を切り終えると霧のように消えていった。


「俺の武者ゴーレムを、忘れるほどの衝撃でしたか?」

俺は地面に倒れて動かない帝国騎士に、答えの返ってこない質問をしていた。



俺は、生き残った兵士の治療を終えてアンナたちと合流する。

生きていた兵士は3人。

ケルビスとアンナたちとともに街道に出て、フリーデルド領を目指す。


1日ほど、歩きと休憩を繰り返してようやく

フリーデルド領からの援軍、2個師団の兵士や騎士、魔術師に合流した。



師団から馬車が提供されて、アンナと2人の子供たち、ジニーと俺を乗せて

フリーデルド領へ兵士5人をつけて送り出される。

また、ケルビスたちは師団に合流して領主のいるネスビアまで行くとのこと。


アンナたちは、ケルビスたちの無事を祈りつつまた会えることを祈っていた。

こうして、俺たちはフリーデルド領でキュビールの領主やケルビスたちを

待つことになる。




俺たちが無事にフリーデルド領に着いて10日後。

フリーデルド領の領都リーバン。

ここの領主の屋敷で、アンナたちは衝撃の事実を知らされる。


「すまないアンナ殿、キュビール領は帝国に吸収された。

2日前、領都ネスビアが陥落とともに帝国が宣言したそうだ」

アンナは震える手を握りしめて、肝心なことを聞く。


「…それで、領主は、アルベルは…」

フリーデルド領主は、肩の力を抜くと笑顔で答える。

「アルベルの奴は無事だ。うちの師団が間に合ってな、何とか逃げ延びた」


アンナもホッと安堵した。

「今こっちに向かっているそうだ、明日にはこの領都に着いているだろう」

アンナは、フリーデルド領主に頭を下げて


「キュビール領のためにご尽力下さり、ありがとうございました」

「気になさるな、次の最前線はこのフリーデルド領になる」

アンナは少し落ち込む。


「これからだ、これから王国も本気になる。

帝国の好きにさせることはないだろう。

今、王都では反撃のために準備を急いでいるそうだ。だから、これからですよ」


アンナは領主の執務室から退去すると、

自分達用に与えられている部屋へ戻る間、考えていた。

帝国の目的とこれからを。




一方俺は、部屋のベランダに出て太陽のぬくもりに昼寝をしていた。

久しぶりにネコに戻って、昼寝を満喫したのだ。


フリーデルドの領都に来てからは、いろいろ忙しかった。

俺は人化したままで過ごさなくてはならず

さらに、帝国騎士との戦いがアンナの子供たちから伝えられ


脳筋の連中に何度か挑戦されたからだ。

だから俺は仕方なく、武者ゴーレムに竹刀を持たせて相手をしてもらった。

……戦績は、武者ゴーレムの全勝。


本当に武者ゴーレムは強い。

いろんな人たちが挑戦していたが、最後は1対多数で挑んでいた。

それでも勝ってしまうのだから、なんでこんなゴーレムができたのだろう。


そんなこんなで、挑む者もいなくなりようやく解放され

俺は今、ここで日向ぼっこでお昼寝をしている。

おやすみなさい……




さらに5日後、旧キュビール領主アルベルを筆頭にした

旧キュビール領の残存兵たちが到着し、アンナもアルベルと再開して喜んでいた。


さらに2日後、旧キュビール領に密偵を忍ばせ情報収集へ。

そして、10日後にもたらされた情報で王国の王都より王国軍の派遣が決まる。


『帝国軍の援軍3万が旧キュビールへ向け進軍。準備されたし』









ここまで読んでくれてありがとう。


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