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ネコで異世界を生きる  作者: 光晴さん


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第61話 帝国騎士、強し!




アンナたちが、拘束した帝国兵士の前で今後のことを話し合っていると

森の中から出てきた兵士と騎士に声をかけられた。


「ならば、私たちが手を貸そう」


俺たちは、その声に反応して振り返るとそこにいたのは俺の知らない人たち。

だが、アンナたちは知っているようだ。

「ケルビス! どうしてここに?」


アンナたちは、知り合いの騎士や兵士に安堵している。

「領主様の命令で、少数で急いで街道を進んできましたから」

「ならば、帝国兵士や騎士がいたでしょう?」


「はい、斥候が発見したので見つからないようにこうして森の中を」

「それで、私たちを発見したのね?」

騎士は、拘束されている帝国兵士を見ながら


「そうです。 さあ、私たちとともにフリーデルドの境に急ぎましょう」

アンナはその言葉に少し落胆しながら

「戻れ、とは言わないのね…」


「当然です、あなた達を逃がすために私が来たのですから」

アンナは、少し考えて決断する。

「…わかりました、このまま森の中を行きましょう」



こうして、アンナたちと合流したケルビスたちが加わり森の中を進む。


ケルビスは、少ない5人の兵士を連れてきたようだ。

先頭を斥候に行かせ、アンナたちを次に、そして俺、ケルビスたちの順番だ。

周りを警戒しながら、森の中は厳しい。


そこで、ある程度進んだら街道へ戻り急いで進むことにした。

「…このあたりで、大丈夫かしら?」

アンナは、1時間ほど歩いたところで街道へ出ることを提案


ケルビスは少し考えたが、

「…おそらく、この距離ならいいかもしれませんね」

そう言って、街道に戻ることが決定。


森の中から街道へ出ると、休憩中の帝国兵士たちがいた。

それぞれが、顔を見合わせあ然としていると


【ガイアチェーン】


俺の魔法が発動し、帝国兵士たち7人を拘束する。

そして動けなくなる兵士たち。

だが、1人の帝国騎士だけは何とか体をひねり石の鎖をよけた。


「チッ、さすが騎士だな」

俺が舌打ちをしていると、ようやく全員が動き出した。

ケルビスたちは、アンナたちを後ろに庇うように戦闘態勢をとると


「あとは、貴様だけだな」

と、残った帝国騎士に言ってる。


帝国騎士は、拘束された部下の兵士を見ると

「何を遊んでいる! そんな鎖、早く断ち切って武器を構えろ!」

その言葉に、帝国兵士たちが思いっきり暴れまわるが


【アイアンチェーン】


という俺の新しい魔法で、さらに鉄の鎖で拘束され動けなくなっていた。

「チッ、やはり兵士は使い物にならんな…」

そう言って俺たちに向き直ると、


「帝国騎士の恐ろしさを見せてくれる!」

そう叫ぶと同時に、両手に剣を握った。

ニヤリと笑い「いくぞ!」と叫んで向かってくる帝国騎士!


「早い!」

ケルビンが連れてきた兵士の1人が叫び、迎え撃つ。

だが、確かに早い! そしてその速さを生かした2本の剣。


1人、また1人と味方の兵士たちが切られていく。

ケルビスの持つ剣は細身の剣で、サーベルのようだが、少し違うみたい。

なぜなら、刀身が青いのだ。


「このケルビスの剣は魔剣だ、その辺の兵士と一緒にするなよ!」

そう言い放ち、帝国騎士に向かっていく。



…確かに、そう言えるほどの実力はあり帝国騎士といい勝負をしている。

だが、2本の剣を巧みに使う帝国騎士に少しだけ分があるのかおされてくる。

「くっ! やっ! はっ!」


「…なかなかやるな、だが、俺の敵ではないわ!」

甲高い音とともに、ケルビスは剣を手放し、飛ばされた剣は地面に刺さる。

ケルビスは、切られた手を抑えるが


「邪魔だっ!」

と、帝国騎士に正面から蹴られアンナの側にまで飛んできた。

「さあ、おとなしくしてもらおうか」


アンナに近づく帝国騎士の前に、俺は立ちふさがる。

「ケロちゃん!」

訝しげに俺を見る帝国騎士、そして、


「…お前のような子供に何ができる」

ますます睨んでくる帝国騎士。

「後ろで、動けなくなっているあなたの所の兵士を拘束したのは俺ですよ?」


「…小僧、魔法使いか?」

俺はニヤリと笑うと、

「ええ、魔法使いです!」


【クリエイトゴーレム】


睨みあう俺と帝国騎士の横に、甲冑姿の武者ゴーレムを2体召喚する。

すぐに、ゴーレムに気づいた帝国騎士は後ろへ下がる。

「…ゴーレムだと……」


武者ゴーレムは、腰の刀を抜くと帝国騎士を睨む。

「行け、武者ゴーレム! 帝国騎士を倒してしまえ!」

俺の合図とともに、武者ゴーレムは帝国騎士に切りかかる。


「くっ! なんだこの装備は!」

相手がどんな敵なのか見抜けない帝国騎士は、すぐに劣勢になる。

俺はその間に、ケルビスに治癒魔法をかけると


「アンナたちは、ケルビスの側にいてくれ。

俺は、生きている見方の兵士を治癒してくるから」

アンナは頷く。



帝国騎士は、武者ゴーレム相手に何とか戦えていた。

「くっ! なんて強さだ! 俺が今まで相手をしてきた剣士の中で

最強の部類に入るぞ! しかもそれがゴーレムとは…」


味方の兵士に治癒魔法をしている俺をチラ見しながら、

帝国騎士は、舌打ちをして戦い続ける。

「このまま戦い続けるのはまずい! どうにか……」


懸命に戦う帝国騎士は、余裕のない状況の中

考え続ける……







ここまで読んでくれてありがとう。


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