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ネコで異世界を生きる  作者: 光晴さん


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第42話 対処方法




ダンジョン16階層。

洞窟内をひたすら進み、魔物を倒し14階層以降頻繁に出始めた

宝物を慎重に回収していく。


中でも、16階層の初めに見つけた宝物の『無限鞄』は重宝している。

今まで見つけた宝物をしまえるし、

魔物の素材も厳選することなく入れておけるのだ。


今、アンナたちの班はようやく16階層の奥の下へ降りる階段を発見。

17階層へ、足を踏み入れようとしていた。


「ちょっと待って!」

フローラが、17階層への階段前でアンナたちを止める。

「? どうなさったのですか、フローラさん」


「エリー、そしてみんな、これから私が話すことをしっかりと聞いてほしい」

フローラの真剣な表情に、アンナたちは真剣に聞くことにした。

「みんなは冒険者ギルドの噂の1つに『女の子の話』を知っている?」


アンナたちは、顔を見合わせると

「それって、ダンジョンに出た女の子の話ですよね?」

と、サラがこのダンジョンに入る前に聞いていたことを言う。


「そう、このダンジョンの17階層以降に女の子が出現して

ダンジョン探索を行っている冒険者に襲い掛かるって、事件が発生しているの」

エリザベスは、首を傾げながら


「それって解決してないんですか?」

フローラは頷く。エリザベスはレナの方も見るがレナもまた頷いて答える。

「冒険者ギルドも調査をしているが、分かったことは少ないんだ」


「フローラさん、今わかっていることを教えてもらえますか?」

フローラは頷き、今わかっていることを教える。

「今わかっていることは、1階層以降にしか現れないことと

『重力魔法』を使うことの2つだけだった」


「…その女の子の特徴とかは、分からなかったのですか?」

フローラは少し考え込むと、

「それがね、要領を得ないのよ。少女だったとか女性だったとか。

中には、裸だったとかいろいろありすぎてまとめることができなかった」


「それで、唯一の共通点である女の子…」

フローラとレナは再び真剣な表情で、アンナたちに語り掛ける。

「だから、この先のダンジョン、今以上の緊張に押しつぶされそうになるかもしれないけど私たち護衛を信じてほしいの」


アンナたちはお互いを見て頷くと、

「頼りにしていますよ、フローラさん、レナさん」

「さ、それでは17階層へ行きますわよ!」


エリザベスの号令の後、フローラとレナは笑顔になり

「任せてくれ!」

こうして、アンナたちの班は全員が17階層へ進んでいった。




17階層入り口。

アンナたちが階段を降りてくると、冒険者2人と学園の職員

そしてギルド職員の4人に出会う。


「学園の諸君、ようこそ17階層へ!」

冒険者の一人がアンナたちが下りてきたのを見て、声をかけた。

そして、ギルド職員がアンナたちに近づき


「フローラさん、レナさん、この階層からのことは…」

「ゼルナさん、私の方から説明してあります」

「助かりますフローラさん。では、私の方から追加情報を」


ギルド職員の追加情報に、アンナたちは耳を傾ける。

「ゼルナさん、追加情報って……」

ギルド職員のゼルナは、笑顔でレナの方を向くと


「ギルドは、情報収集を欠かしていないんですよ。

今もなお情報収集を続けています、その過程でわかったことなんですが」

フローラとレナも真剣な表情になる。


「まず、例の女の子は襲う相手を分けていることがわかりました」

「では、襲われないものがいたと?」

レナの問いにギルド職員は頷いて答える。


「そう、女の子の狙っている相手は、ダンジョン探索者のみで

今回のように、警備のためもしくはダンジョンの魔物と戦うための人や

安全を確保し学園の生徒のお世話をする学園職員や


階層の初めに護衛兼階層情報を伝える冒険者には、一切手を出してこないんだ」

アンナたちは真剣に聞き、フローラたちは考え込む。

「簡単に言えば、このダンジョンを調べるものや

宝物を探そうとするものに、襲いかかってくるってことだよ」


「ちょ、ちょっと、待って!」

クレアが反応し、慌てている。

「それだと、ダンジョンの罠を調べることができないじゃないか!」


「私たちもそう思ったんだが、どうやらそれは違うようだ」

フローラが真剣な表情で質問する。

「どういうことなの?」


「例の女の子の狙いは、17階層以降の宝物を調べられたくないようなんだ」

「…ならば、その女の子を呼ばないようにするには宝物を見逃せと?」

エリザベスの答えに、ギルド職員は頷く。


「ですから、学園の生徒の安全のためにここから先

宝物には一切手を付けないようにと…」

クレアは、目に見えて落胆しているがフローラたちは仕方ないと了解した。


これから先、ダンジョンを進むうえで宝物に手を出さず進んでいけるのか?

そんな不安を胸に、アンナたちは17階層を進んでいった。



俺は無理!

ダンジョンの宝物は、ダンジョンに潜る醍醐味の1つ。

それを封じられて、ダンジョンに潜る意味があるのか!って言いたいけど


ここはアンナたちの安全第一ってことで、しょうがないのだろう。


しかし、17階層以降の宝物に何があるのかな?

例の女の子が、襲ってくるほどのものがその宝物には隠されているのか。

ものすごく気になるが、何もわざと虎の尾を踏むことはない。


今はこうして、アンナに知られることなく影に隠れてついて来ていることだし

最後まで、見守るか~







ここまで読んでくれてありがとう。


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