第38話 ダンジョンへ 入り口
今回は短いです。
ブロトール学園の図書館での会話から6日後、いよいよアンナたちの班は
護衛の冒険者2人を連れて、学園主催のダンジョン体験に出発した。
このダンジョン体験に参加するのは、学園の生徒8000人に護衛などを含めて
約1万人が参加する。
そのため、この人数がいっぺんにダンジョンに入ることができるわけもなく
班ごとに別れ、日と時間を決めてダンジョンに入るようにした。
勿論、学園がダンジョンに入っている時も一般の冒険者などが
ダンジョンに入ることは認められているので、
冒険者ギルドのダンジョン管理の部署は、2日前から大騒ぎだ。
俺はと言えば、図書館で『重力魔法』について調べたが
よくわからなかった。イメージができなかったといった方がいいかな。
これは、実際に見学できれば使えるようになるかもしれないな。
あと問題だったのは、ダンジョン体験に行くときの準備か。
服から荷物から、いろいろと注意事項に従い準備に追われていたようだ。
アンナが苦労というより、メイドのジニーが苦労していた。
今も、学園から出発した馬車の中で班のみんなと荷物の確認をしている。
それにしても、学園からダンジョンまで、すごい馬車の列だ。
俺は、馬車の屋根の上からこの光景を見ているのだが驚いているよ。
でも1万人を班ごとに分けて運ぶんだから、この行列になるか…
アンナに付いてダンジョンに潜るつもりだが、この行列を見るとうんざりするな~
それはともかく、アンナたちの班に付いた護衛の2人を紹介しておくか。
まずは冒険者ランクBの女冒険者、レナ。
いつもは、仲間5人とパーティーを組んでダンジョンに潜っている。
剣と盾を戦闘スタイルにしているが、魔法も得意で特に治癒魔法が得意だ。
前衛にも後衛にもなれるので、パーティーでは重宝されている。
次は冒険者ランクAの女冒険者、フローラ。
彼女はレナと同じパーティーの仲間で、一緒にダンジョンに潜っている。
魔法が得意で、完全後衛型。
近接戦闘もある程度はできるが、身を守るのがせいぜいらしい。
こんな2人に護衛に付いてもらい、ダンジョンに潜ることになった。
ん~、ランクが高い護衛を回してもらったのは王族がいたからかな。
さて、そろそろダンジョンに到着だ。
ダンジョン前はすっかりきれいにされて、しかも辺りにあった木も倒され
整備されている。
そのため、ダンジョン入り口がよく見えその作りが目立っていた。
洞窟型ダンジョンでありながら、遺跡が眠るかのような入り口。
四角い石が詰まれ、入り口の形となりさらにその石には彫り物がしてある。
何を模しての彫り物か分からないが、よくできている。
アンナたちが馬車から降りてくると、護衛の冒険者と一緒に
学園が設置している受付に到着報告をするようだ。
そして、その報告と同時にダンジョン探索許可が発行されるらしい。
「リニアちゃん、許可はもらえた?」
受付から出てきた護衛の冒険者と、報告に行った班代表のリニア。
アンナはそのリニアに声をかける。
「うん、今からダンジョンに行けるよ。
自分の荷物をもったら、出発しましょう」
リニアの言葉に、笑顔で頷くアンナ。
ダンジョンの入り口前には、もう全員そろっていた。
「サラ、みんなそろったようだから、出発しましょう」
エリザベスがこの班のリーダーを務めるサラに、出発を促す。
こうして、アンナたち6人と護衛2人、そしてネコ1匹が
ダンジョンへ潜っていった……
ここまで読んでくれてありがとう。




