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ネコで異世界を生きる  作者: 光晴さん


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第37話 目指す階層




俺は今、ブロトール学園の図書館に来ている。

図書館というものは、基本静かだ。

こういう所は、日本の図書館と変わらないみたいだな。


学園の図書館は広い、とにかく広い。

俺も全体を把握しているわけじゃあないが、

広すぎて迷子が出ないか心配になるほどだ。


それにもまして、本の数だ。

…俺は初めて本に囲まれて圧迫感というものを体験した。

それだけ本が並んでいる。



さて、今回俺がこの図書館に来ている理由だが

昨日、冒険者ギルドのギルド長が驚いていた『重力魔法』について調べに来た。

勇者神話にしか出てこないという魔法、面白そうだ。


で、魔法関連の棚を探しこうして探しているんだが

見つからん! なんでこんなに同じ魔法についての本があるんだ?

『火魔法』だけで100冊以上あるぞ?


…もしかして、棚が違うのかな?

勇者神話の魔法だから、神話に関する棚なのかな……

俺は思い直して、棚を移動してみる。



本の収められた高さ3メートルはある棚の上を、トテトテと歩いて移動する。

移動の途中で、読書スペースとなっているテーブルと椅子がある所で

アンナとその友人たちを発見した。


最近のアンナは、俺となかなか遊んでくれない。

まあ、それが大人になっていくってことなんだから

俺としては、見守っていくしかないんだがなんか寂しいんだよね。


でも、俺からアンナにすり寄ったりすれば

『もうケロちゃん、しょうがないな~』

とか言って遊んでくれるので、文句はない。文句はないんだが……


まあ、それはともかく。

あそこにいるのは、本を読んでいるアンナ。

読んでいるのは、ダンジョンについての本みたいだ。勉強熱心だな!


その右隣りにいるのが、一番仲がいい友達のリニアだな。

金髪で、エルフと人のハーフだって聞いたな。

今は髪が邪魔にならないように、ポニーテールにしているが普段は降ろしている。


リニアもダンジョンの本を読んでいるようだ。


アンナの左側にいるのが、友達のサラだな。

サラを一言で表すなら、脳筋だな。

今も、周りの本に圧迫されて机に突っ伏している。


こんなサラだが、戦闘では学園の上位に位置しているほど強い。

主に使う武器は槍で、盾を合わせて使うこともあるとか。

足も速いし、やっぱり脳筋だな!


アンナの向かい側右にいるのが、エリザベスだ。

彼女、実は王族なのだ。

だが、六女ということもあってかなり自由がきくらしくお姫様らしくない。


活発で何にでも興味を持ち、動物好きでもある。

いや、動物が好きというよりモフモフが好きといった方がいいだろう。

俺も何度彼女にモフモフされたか…


最後に、アンナの向かい側の左にいるのがローリル。

この子はドワーフ族の女の子で、将来は魔道具製作で勇者神話に出てくる

魔道具が作りたいと、アンナに話していたことがあったな。


合法ロリ……確か、日本の小説なんかだとそう書かれることがあるらしいが

こうして実物を見れば、それも納得だ。

ローリルは、アンナたちに比べ背が低い。


アンナたちと同じ年のはずだが、幼く見えるな。


あれ? 一人足りないな。

いつものアンナの友達といえば、5人いたはずだ。

その時、1人の女の子がアンナたちのテーブルに近づいてくる。


「遅くなって、ごめんなさい」

その謝罪に一番早く反応したのがアンナだった。

「クレアちゃん、こっちこそ急に呼び出してごめんね?」


他のみんなも笑顔でクレアを迎えてくれる。

クレアは、エリザベスの隣の席に座るとアンナが話し始めた。

「今日、みんなに集まってもらったのはもうすぐ行くことになる

ダンジョン体験のことです」


アンナがみんなを見ると、みんな頷いて答える。

「先生から6人1組で班分けをと言われたので、私たちはこのメンバーで

班を組みます。

前衛のローリルちゃんとサラちゃん。斥候ができるクレアちゃん。

そして、魔法組の私とリニアちゃんとエリちゃん」


「まあ順当ね、私は異存はないわよ」

エリザベスが、真っ先に賛同したので他のみんなも異存はなかった。

「ただ、今回のダンジョン体験には問題があるようですよ」


リニアの一言で、場はあの話題へ。

「あ~、それってダンジョンの女の子の話でしょ?」

「ローリルちゃんは、知っているのね」


「あたしは、昨日おじいさんから聞かされたの」

「ローリルちゃんのおじいさんって、冒険者ギルド専属の鍛冶師だっけ」

「そうだよ、冒険者の武器のメンテナンスとかを引き受けているの」


「そういえば、お父様も今回のダンジョンには注意をしておきなさいって

仰っていたわね…」

「陛下にもダンジョンの女の子の話が、広がっているんだ~」


リニアは急に不安になったような声を出したな…

「大丈夫だよ、リニアちゃん。

今回のダンジョン体験には、1つの班に冒険者が2人ついてくれるから」


「アンナちゃん、それって本当に大丈夫なの?」

「ランクはC以上だし、ダンジョンも25階層までだって言われていたし

それに、この学園の人数を考えれば大丈夫だよ」


アンナの言うとおり、今回のダンジョン体験ツアーの参加者は1万人を超える。

そんな人数がダンジョンに潜るのだから、

ダンジョンの魔物も逃げ出すだろう。人の多さに…



「それで、ダンジョン体験で行く25階層には何があるのかな?」

「えっとね…」

アンナがメモを取り出し、書いておいた内容を見ていると


「25階層にある草原を目指すみたい」

「「草原?」」

「先生の話では、25階層はそれまでの階層と違って草原になっているんだって。

そこには空もあって、とても洞窟内とは思えないみたい」


「へぇ~、ダンジョンって不思議な所なのですね」

エリザベスが感心している。

確かに、草原があるとなったら不思議な空間だな…


俺は10階層ぐらいまでしか潜ったことないし、

これは楽しみだ…






ここまで読んでくれてありがとう。


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