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ネコで異世界を生きる  作者: 光晴さん


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第32話 学園を探索してみる




アンナのいる教室から学園内を逃げて、今は校舎の3階に逃げのびた。

あの女性教師、結構しつこかったな~


俺はそんなことを考えながら、周りを見渡すといろんな教室が見える。

…こんなところを歩いていると、音楽室の思い出がよみがえるものだな~



その昔、俺がまだ若かりし頃、放課後に訪れた音楽室で

ピアノの練習をしていた、一つ上の先輩。


あのピアノの曲は、廊下の外にいた俺にも聞こえていて

俺の心にジーンときたものだ。


…そういえば、この異世界に来てあんな音楽には出会っていないな。

う~ん、音楽何かの芸術は育っていないのかもしれないな。

…てことは、この世界で地球の音楽はうけるのか?


今度、ギターを自主制作して弾いてみるか。

若い頃に、カッコつけてギターの練習をしたのもいい思い出だな。



学園をうろついていると、いきなり後ろから抱えられた。

お? 俺が後ろを向いて顔を確認すると、俺の飼い主のアンナだった。

「ニャ~」


アンナは、困った顔をしながら俺を抱きかかえる。

「もう、ケロちゃん。学園に遊びに来るのはいいけど、

授業の邪魔しちゃダメでしょ」


アンナは、俺を抱きかかえて歩き出す。

おそらく向かう先は、寮の自分の部屋だろう。

「ウニュ~」


アンナは俺を抱きながら、いろいろ撫でてくれる。

ネコとしては、それが気持ちいいからうれしくはあるんだけど

中身の俺としては複雑な心境だ。


「お嬢様、ケロは見つかったようですね」

アンナのお付きのメイドのジニーが、近づいてくる。

どうやら手分けして、俺を捜索していたようだな。


「ええ、この先の空き教室の前にいたわ」

「この校舎は広いですから、迷子になったのかもしれませんね」

ジニーもアンナについて、寮に向かうのだろう。


「そういえばお嬢様、リニア様がご心配されてましたよ」

「リニアちゃんが? 教室をいきなり飛び出しちゃったから心配させちゃったかな」

「そうですね、あとで先生にも謝っておかないと」


2人と1匹は、寮へ向かい俺を部屋に放した後教室へ戻っていった。




…さて、アンナたちも教室に戻ったし再び探索へと出かけるか!


今度は校舎じゃなくて中庭とかに行ってみるか。

確か、魔術練習所とかいう所があったはずだよな…

俺は部屋のベランダから抜け出すと、3階という高さをもろともせずに飛び降り


寮の庭に風魔法を使って着地、そのまま寮の脱出に成功した。

そこからは、いろんな施設を巡りながら魔術練習場を目指した。



途中、食堂でいい匂いに負けそうになりながらも練習場を目指す。

しかし、いろいろと欲望をくすぐる道のりは険しく、

食堂の次は売店のパンのいい匂いが……


そこを何とか過ぎると、次は武器庫だ。

他の倉庫とかと併設されていて、いろんな好奇心がくすぐられたが

頑張って当初の目的のため、そこを通り過ぎようやく魔術練習場にたどりついた。



魔術練習場には、アンナとは別のクラスの生徒たちが魔術の練習をしていた。

おそらくこれは授業なのだろう。

魔術の先生らしい人が3人ついて、生徒たちに教えていた。


俺は、練習場にあった観戦場所に移動して授業を見学する。

この観戦場所に来て分かるが、おそらくこの学園では毎年大会でもしているのかも。


俺の場所からは、この練習場が見渡せるし

座っている椅子とかも、掃除が行き届いている。

…アンナも魔術で大会に出るのかもね。


俺、絶対そんな大会があったら応援するぞ~


まあ、それはともかく下の広場で魔術の練習をしている生徒たちは

悪戦苦闘しているようだ。


【ファイアー】


おお、1人だけ抜きんでた人がいるな。

ん? んん? あの耳は、エルフか…なるほど、種族補正か。

…でも種族補正をなしにしても、あの魔術はなかなかの威力をもつ。



ちょっと待て、あの子以外にもエルフは見かけるがあの子ほどの威力はないぞ?

それによく見ると、腕に何か巻いているな…

あれは何だ?


「ああぁぁーー!!」


その時、俺が気にしていたエルフの子が腕をつかんで苦しみだした。

「先生! キュロが!」

周りの子たちは、キュロと名の付くエルフを心配して集まってくる。


先生が心配して、キュロのもとに駆け寄ると

キュロの腕が、巻いている腕輪のあたりから真っ黒に変色していく。

それに気が付いた先生は、驚いてどうしていいか分からなくなっていた。


「な、何、この腕輪は…」

その間もキュロは苦しみ、その場にうずくまっている。

「せんせー、キュロ君が、どうしたら、どうしたらいいですか!」


俺は、すぐに観戦場所から練習場に降りて生徒たちにまぎれてキュロに近づく。

そして、魔法を唱えた。


【ディスペル】


すると、キュロの腕に巻かれていた腕輪が音を立てて2つに割れて地面に落ちる。

また、腕輪が外れるとキュロの苦しみもなくなりそのまま気を失った。


先生は、割れて落ちた腕輪には触らずにキュロを保健室へ連れていくために

抱きかかえて、そのまま走っていく。

心配する生徒たちは、別の先生が落ち着かせて授業を終了していた。


最後の一人の先生は、箱を用意してきて割れた腕輪を回収し

生徒たちを落ち着かせていた先生に話しかけて、

そのまま箱をもってこの場を後にした。



さて、どの先生について行くかな…







ここまで読んでくれてありがとう。


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