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ネコで異世界を生きる  作者: 光晴さん


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第3話 潜入!冒険者ギルド




忍び足で潜入した冒険者ギルド。

今の時間帯は夕方のため、

建物の中には、普通の人や冒険者たちがいっぱいだった。


入り口から、壁伝いにたくさんの人を見ながら

入って右手にある食堂らしき場所へもぐりこむことに成功した。


いろんな人が座っている中で、一つの椅子の下に潜り込みギルド内を観察する。

勿論、食堂で飛び交う冒険者たちの会話にも耳を傾けている。



この食堂は酒場としても機能しているようで、酒を注文して騒いでいる人が

店の店主にギルドから叩き出される場面が何度かあった。

この店の店主は、なかなか強いらしいな。


それと、新人だろうか早くランクを上げたいとか愚痴が多いぞ?

自分を鍛えなさいな…


ふむふむ、ギルドの2階には資料室があるのか…

魔物のこととかが詳しく載っている本があるのかな?


あれ、獣人だ! しかも猫獣人だよ。ネコミミがかわいい~

隣は…エルフだな! フードを被って分からないようにしているが美人だ。


あれは、店のウェイトレスさんか。

おお、客のあしらい方がうまい! おしりを触ろうとするな冒険者!

…やっぱり店主が出てきて、叩き出された。



あと、この場所からカウンターも見えているわけだが

並んでいる人が多いところはテンプレ通り、美人の受付嬢だ。

やはり、筋肉モリモリの脳筋さんがしつこく声をかけてフラれているな…


お、別の列から離れたパーティーがギルドの2階へ行くようだな。

話を聞いていたが、資料室へ魔物のことを調べに行くみたいだ。


ついて行ってみようか。



冒険者5人のパーティーの後を、気づかれないように忍び足で尾行する。

そして、ギルドの2階へ上がってすぐの所の扉に入っていった。


プレートが出ていたので確認。

『資料室』と書かれてあった。


俺はすぐに、扉の下にある隙間から中へ侵入する。

資料室の室内は、閑散としていて普段からの人の出入りはなさそうだ。

扉の横にいる資料室の管理人は椅子を並べて寝ているし…

……どうやら、冒険者は脳筋が多いようだな。


俺は、これ幸いと資料室の中を調べて回って

調べ物をしていた冒険者たちに見つからないように、いろんな本を物色してみた。



冒険者ギルドの資料室といえど、品揃えは良いようだ。

魔物の資料をはじめとして、この町の周りの地形に関することや

どんな魔物が分布しているのかも、把握しているようだった。


また、俺が持っている本もあり、さらにその最新版も置いてあった。

俺はさっそく、誰にも見つからないように棚から本を入手して

部屋の奥の死角に移動し、いろんな本を時間も忘れて読んでみる。



だが、2冊目を読み始めた時、日が沈み本を読むことができなくなった。

資料室にも明かりの魔道具みたいなものはあるんだが、如何せん暗いのだ。


俺はしかたなく、1冊に絞って借りることにした。

勿論、無断でではあるがこの閑散とした資料室では

本が1冊なくなっても気づかれないだろう。


『意外に便利な魔法 初級編』を空間収納でしまうと

抜き足、差し足、忍び足で扉の下から出て行った。

……ギルドの扉って、下の所がいい感じに開いているんだよな。



明かりを求めてギルド内を移動していたが、夜中も常時明るいところは

カウンターや食堂がある入り口のロビー付近しかなかった。


俺は再び、食堂の椅子の下へ滑り込み

資料室で、無断で借りてきた本を読みふけっていく。


なんていうか、眠気を感じないんだよな~

特に、夢中になって面白いことをしているとね。

でも、ギルドを後にしたらどこかで寝ないとな…



魔法の便利さを書いていた本だったが、意外と役に立った。

中でも『光魔法』や『闇魔法』が詳しく記されてあったし、面白い魔法も載ってる。

その中でも『解体魔法』は、群を抜いて便利な魔法だろう。


俺は知識だけではあるが、いろんな魔法を覚えていった。

あとは実践あるのみ!


入り口からすぐの所にある掲示板には、いろんな依頼が貼ってあるんだが

常時依頼の狩場は、町から東にある森の入り口付近と書いてある。


俺もそこでレベルを上げようと思ったんだが、考えてみれば俺はただのネコ。

魔法が使えるとはいえ、魔力が枯渇すれば何もできなくなる。

となれば、安全策は取っておいた方がいいな……



ん~よし、木に登って上から魔法で攻撃といくか。

低ランクの狩場だし、飛んでいる魔物はいないと思うから大丈夫だろう。

ではさっそく、町の外へ移動するぞ~


俺は、入ってきたときと同じように忍び足でギルドを出て行った。




だが俺は、ここにきて肝心なことを忘れていた。

それは、町から外へ出るための門は夜の間は閉められるってことだ。

外へ出るために、町の東門へ来てみたが今は夜。


当然門は閉められていて、兵士が眠そうに見張っていた。


俺はその兵士の足元に行ってみると、

「ニャ~」

と、開けてくれないかな~と鳴いてみた。


「うん? なんだネコか。

俺は食べるものなんて、持ってないぞ」

いや、食い物じゃなくて門を開けてほしいんだが…


俺は、門の大きな扉を手でたたいてみた。

「…もしかして、門の外に出たいのか?

やめとけやめとけ、夜の外は魔物が活発になるぞ。

それに、お前ではすぐに魔物に食われてお終いだ」


俺はそれでも、門を手でたたいていると

「しょうがないな~。そんなに門の外に行きたきゃ、朝になって来な。

そしたら、開いているからよ」


う~ん、兵士さんの言うことはもっともだな。

俺は今すぐに門の外に出ることをあきらめて、近くの馬小屋へ行って

藁の中へ潜り込んで眠りについた。


朝になったら、森の木の上でレベル上げだ。

少し興奮するも、眠気がすぐに襲ってきてそのまま眠りについた。








ここまで読んでくれてありがとう。


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