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ネコで異世界を生きる  作者: 光晴さん


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閑話3 3人の妻たちの会話




王都クスオール家の屋敷では、母親の3人が午後のティータイムをしていた。

優雅に紅茶を飲む3人。

容姿は、いまだ美しくとても3人そろって子どもがいるとは思えない。


メイドの一人が、紅茶のお代わりを3人に次いで回る。

「フフフ…」

「どうしました、フローラ姉様?」


フローラは持っていたカップをテーブルに置くと

「いえ、ちょっと思い出してしまってね」

「何を思い出したのかしら、ニコル」


ニコルもさっぱり分からないと、顔を横に振る。

「教えてくださいな、フローラ姉様」

ニコルとジェシカが、興味深そうにフローラの顔を見つめる。


「いえね、10日前のアンナちゃんのことを思い出していたのよ」

「10日前のアンナちゃんというと……」

「確か、ケロちゃんが夜遅くに帰ってきたときね?」


「ええ、あの時は学園の入学試験前だというのにアンナちゃんったら

ケロちゃんのことばかり気にして、なかなか寝付けなかったわね」

「そうそう、そして夜遅くに帰ってきたケロちゃんを

ベッドの上で怒っていたわね、確か」


「ええ、ケロちゃんが逃げずに怒られている姿がかわいかったわ~」

「うんうん、それから安心したのか怒りながらアンナちゃんは寝てしまうしね」

「フフフ、今思い出してもあの夜のことは面白かったわね」


3人そろって、口に手を当て笑っている。



「そうそう、あの日、王都にある商会が襲われたって聞いたけど

どこの商会が襲われたの?」

「ニコルは、アンナちゃんの試験でそれどころではなかったからね。

襲われた商会は奴隷商の『ゴリオロード商会』よ」


「でも、その商会はかなり悪い商会だったとかで

今は、憲兵たちの捜査が始まっているわよ」

「へぇ~、いったいどんな悪に手を染めていたのかしら?」


フローラは後ろに控えているメイドに詳細を聞いてみた。

「ナナ、その辺りの詳細って分かるかしら?」

メイドは浅く一度お辞儀をすると、


「はい、奥様方。詳細はメイドたちの間でも話題になっていましたから」

フローラたち3人は、目をキラキラさせながら聞こうとしている。

「ぜひ、教えてくれる?」



「はい、事の起こりは憲兵のいる兵舎に

服の乱れた2人の女性が飛び込んできたことです。

驚いた憲兵は、すぐに女性に詳細を聞き、隊を率いて商会へ向かいました。


しかし、憲兵が商会に着くと既に襲われた後だったらしく

商会内はボロボロだったそうです」


「どんな人たちに襲われたのかしら?」

「ニコル」

「ああ、ごめんなさい、続きをお願い」


「はい、それで憲兵が商会にいた人たちに聞いたところ

大量のネコに襲われたそうです」

「「「ネコ?!」」」


「はい、憲兵の人たちも驚きつつも他にケガ人とかいないか商会内を探していると

何やらとんでもないものが見つかりました。

まずは、女性2人から襲われたと告発された貴族のベルキオ・ローベン様」


フローラは、思いっきり眉間にしわを寄せると

「ベルキオ・ローベン……」

「あら、フローラ姉様ご存じのお方なの?」


「女好きで有名な方よ、男爵でありながら女癖が悪くていまだに独身なのよ」

「そんな方が奴隷商に…」

「あの奥様方、その男爵様は貴族の地位をはく奪され平民となり

奴隷商と組んでの女性への乱暴などを調べられて犯罪奴隷にされるそうですよ」


フローラは満面の笑みになり

「それは世の女性たちに、朗報ね」

「……フローラ姉様が、ここまで嫌うとはよほどの女癖なのね」


「それから、憲兵がさらに商会内を捜索すると

大量の賄賂を記した書類が見つかって、商会の代表のゴルドールが捕まり

ゴルドールから賄賂を受け取っていた貴族たちも、

追及を受け陛下から罰を受けたそうです」


「貴族と賄賂ね~」

「はい、それにゴルドールは奴隷商をしていたそうですが奴隷に対する扱いが酷く

憲兵が奴隷たちを発見した時には、かなり衰弱していたそうです」


「自分の商売もまともにできないなんて、よく奴隷商なんてしてたわね」

「はい、それがゴルドール曰く、別の商売がうまくいきすぎて奴隷にまで

気が回らなかったと、言い訳をしていました」


「それで、うまくいきすぎた商売って?」

「使い魔の販売です」

「使い魔って魔法使いの?」


「はい、今ネコの使い魔を従えるのが流行りらしく儲かったそうです」

ジェシカは、納得がいった顔をする。

「思い出した、クレアちゃんが学園で流行っているって話していたわね」


「そうか、それでその商会はネコたちに襲われたのね?」

「え、どういうこと、フローラ姉様」

「ニコル、商会がネコたちに襲われた、ここまではいい?」


ニコルは頷く。

「商会は、ネコの使い魔を従えさせる商売をしていた。

となれば、商会はどこかでネコを調達していたのよ」


「そうか、その調達を王都でしていたから王都のネコたちに襲われたのね」

「正解よ、ニコル」

フローラはニコルの頭を撫でてやると、ニコルはまんざらでもない顔になる。


「それで、その商会は今後どうなるの?」

ジェシカが後ろのメイド、ナナに質問する。


「はい、商会にいる奴隷たちは国で保護され、奴隷になった経緯を聞いてから

扱いを決めるみたいです。

ゴルドール他商会の人たちは事情を聴いた後犯罪者は罰を、

他の人は解放されるそうです。


また、襲撃犯のネコたちについては罪に問えないだろうとの見解で

無罪となりました」


3人の妻たちは頷きながら、当然よねという考えのようだ。



こうして、この『ネコ襲撃事件』は王都で起こった奇妙な事件として

王国周辺に広がっていく。








ここまで読んでくれてありがとう。


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