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ネコで異世界を生きる  作者: 光晴さん


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第1話 プロローグ

こんな転生をしてみたいという願望を物語にしてみました。




思い返せば46年の人生、親不孝な人生だった。

体重200キロの男の引きこもり生活、

親のすねをかじってどうしようもなかった。

どんな仕事についても、一番の障害は人づきあい。


俺は、人見知りにプライドが高かったため人づきあいがうまくいかなかった。


よく偉い人が『失敗を恐れるな』と言うが、

俺は失敗をすると陰で笑われているのだろうかと、被害妄想が激しく

失敗しないように動くのだが、なぜか必ず失敗していた…


だがそれも、もう心配する必要はない。

俺はどうやら死んでしまったようだ。

死因はおそらく、突然の心臓発作といったところだろう。


生活習慣病で、糖尿病になりかけてたみたいだからな…

でも、心残りはまだ生きている母親のことだな…

まあ、死んでしまったのだから今さら考えたってどうしようもないな……


もう、どうにもならないさ…




それにしても、ここはどこだろうか?

どこまでも続いていると思える空間で、目印が何もない。


「ここは、生と死の狭間ですよ。宮野太郎さん」

声が聞こえたなと、キョロキョロ辺りを見るが誰もいない。


「ここですよ、ここ。宮野太郎さんの目の前にいますよ」

また声が聞こえる、目の前にいるみたいだからそっちをじっと見ると…いた!


10歳ぐらいの子供がいる。

男か女かはわからないが、確かにいる。

しかも、背中には2枚の羽が生えているようだ。


えっと、天使かな?

「はい、私は天使です。

宮野太郎さんのこれからを女神様に代わって、決めるために来ました」


俺のこれからって、俺、死んでいるんですけど?

「ですから、死んだ後のことについてです。

本当は女神さまがお決めになるのですが、地球をはじめたくさんの生命体の今後を

お一人で決めるわけにもいかず、私たち天使を作って対応させています」


えっと、君が俺の担当ってこと?

「はい、ご理解いただけて幸いです」


あ~、それで、俺はこの後どうなるの?

「はい、宮野太郎さんはこの後『ネコ』に転生する予定です」


……えっと、もう一度言ってくれる?

「はい、宮野太郎さんはこの後『ネコ』に転生する予定です」



………マジ??

「はい、マジです」


何で『ネコ』なのか理由を聞いてもいいかな?

「はい、まず親より先に死んだことで罪となり

『人間』以外の生命体への転生になります。


これは、覆ることはありません。


次に、生活習慣が問題になりました。

宮野太郎さんの体重200キロが罪となり『地球』以外での転生となります」


えっと、その2つが理由?

「はい、そうなります」


生活習慣の体重200キロは、罪になるの?

「はい、これは故意に寿命を縮めた罪になります」


なら俺の性格とかは、罪にはならないのかな?

「それは関係ありません。

人の性格は、育て方や生活環境でいくらでも変わるので重視していません。

ただ、身勝手な理由での殺人などは生前罪を償わない限り死後の罪になります」



……な、なるほど。

「ご納得いただけましたか?」

納得しました。


「では、宮野太郎さんの転生後についてお話します。

宮野太郎さんが転生する世界は『ブロート』といいます。

文明は化学があまり発達していませんので、

地球と比べると遅れているように思えるかもしれません。


しかし、逆に地球では廃れた魔法文明が発達していますので

問題なく暮らしていけると思われます」



……魔法?

「はい、魔法が存在します」


魔法!

皆の憧れの魔法!!

魔法の世界に転生!!!

「あの、どうされたのですか?」


これが喜ばずにいられますか!

魔法ですよ、魔法!

「はい、そうですね」


…なんか、冷めているね天使さん。

「魔法文明は、女神様管轄の世界にはたくさんありますので」


そうなの?

「はい、地球のような科学文明の方がめずらしいんですよ」


これはショックだ、地球の文明がめずらしいなんて…

「えっと、説明を続けてもいいですか?」


どうぞ、お願いします。

「では、宮野太郎さんはその世界で『ネコ』として生きてもらいます。

ですが宮野太郎さんの場合、いきなり死んで

またここに戻ってきてしまう可能性がありますので、

こちらである程度修正をつけさせてもらいます」


いきなり死ぬのはまずいの?

「はい、転生は地球で死んだときの罪を清算するためのものですから

いきなり死なれては困ります。ある程度は生きてもらわないと償えません」


それで、修正を入れるのか…それで、どんな修正を?

「はい、まず地球での記憶持ち越し。

さらに、成ネコになるまでの記憶封印。


そして、罪の清算が終わるまでの不老不死です」


……不老不死はやりすぎじゃないの?

「いえ、これから転生する世界は地球より弱肉強食が強い世界です。

地球の日本の環境で育った宮野太郎さんが、生きていける世界ではありません。


でも、ご安心ください。

罪の清算が終われば、不死は解除されますから」


…それでも、年は取らないのね。

「はい、不死が解除されてからは

宮野太郎さんのネコ生を思う存分満喫してください」


「それでは、心の準備はよろしいですか?」


おっと、最後に質問!

「はい、何でしょう?」


俺が魔法を覚えたいときは、どうすれば覚えられるの?

「ネコが魔法を、ですか?

そうですね…、それなら『異世界言語習得』をお付けしましょう。


これで、転生先の言語すべてが理解できますからあとは向こうで

魔法の本などを見て、勉強するのがよろしいかと思います」


分かった、天使さんありがとう。

「いえ。では、宮野太郎さんの転生を始めます」



天使さんが両手を広げ天を見上げると、俺の意識は薄れていった。







この物語を読んでくれてありがとうございます。


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