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  作者: 桃城響香
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第1話 はじまる

「・・・・・んだ。・・・・く・・。」


「きゃあぁぁっ。」・・・まただ。15になってから毎日のように夢を見る。


誰かに呼ばれてるような・・・。全く同じ夢。同じトコで目が覚めて、先へ進めない。


「まき〜。起きなさーい!まき。」


「おはよう、ママ。」だから朝が苦手で、起こしてもらわないと起きられなかった私は誕生日までで。


アレのせいでママが来る前に目が覚めて起きるようになった。


「おはよう。ご飯出来てるわよ。」最近ではママも慣れて驚かなくなった。


「うん。着替えて行くよ。」そして私はいつものように、さっきの夢の事で悩む。


何だったのかな。って。


けど、不思議な事に、私の従姉の陽も見ているらしい。


何なのかなぁ。私、悪い事した覚え、無いのに。


でも、誰にも言えない。ううん。言おうとすると、苦しくなるの。口をぐっと塞がれるような感覚。


陽にはすんなり言えたのに。


ほんと、訳が分からない。


「まきぃ〜。迎えに来たよォ!」嘘。早いって。声の主は友達の亜李沙ありさ


毎日一緒に学校へ行ってる。それにしても早い。いつもは7時半にうちに来るのに。


「ママぁ、亜李沙来た。」食事中だから、ママに甘える。


「はいはい。もう開けました。」ママさすがッ。分かってるぅ〜。


「おはよ、まき。」亜李沙は私の事、まきって呼ぶ。


亜李沙だけじゃなく、皆、まきってゆう。


略されてんの。   嫌じゃないけどね。


「亜李沙、早いよ。」今何時だと思ってんのよ。6時28分だよ?


「ごっめぇ〜ん。なんかね、早く行かなきゃって感じがしたんだぁ。」亜李沙もたまに変な事を言う。


亜李沙は霊感があるからね。もう慣れたんだよね。


でも今日は分かる。私もさっきからいつもと違う、何かが待っているような気がしてならない。


「もぉ。分かった。待ってて。準備するから。」私はさっきまでより行動スピードを速くし、


いつもより30分早い、7時に家を出た。


「ねぇ、まき。あのさ・・・。」亜李沙、今日は一段とおかしい。


「なんかあった?亜李沙。元気無いじゃん。」もっと、テンション高い子なのに、怖い位静か。


「まき・・・違う道、通って行こう。ごめん。なんか、ダメな気がするの。」こんなのも日常茶飯事。


「わかった。」いつも私はOKする。


そして学校へ行って驚く。


「まきたち、無事だったんだぁ〜。良かったぁ。」ってゆわれて、何でって聞くと、決まって、


「まきたちが通ってくる道で、通り魔出たんだよ。4組の子が怪我したってー。」だったり、


「いつもまきたちが通る道で、大きな事故があったんだって。知らなかったの?」とか。


何もない日もあるけれど、あった日の方が多い。だから、亜李沙のこの力には助けられてるって事。


―でも、今日は違う。亜李沙の言葉に従っちゃいけないって言ってるの。なんか声がする。


耳からじゃなくて、頭に直接、言葉が響くの。


「亜李沙、今日は私が言うけど、いつも通り、こっちで行こう?」多分初めて。


亜李沙の言葉を完全否定したのは。それだけに亜李沙も、


「・・・わかった。」そう言ってくれた。


―今はちょっとどころか、かなり後悔してるけど。


「ちょっとぉ。結局何にも無かったね。」嫌な感じはまだあるけれど、もう問題の道も半分来た。


「だね。でもいいじゃん。無い方がいいよ。」亜李沙のゆうとーり。若干ホッとしてる。


そして、出口に差し掛かった瞬間―。


地面が揺れ動いた。他の人は気付かないような微かな揺れだけど、気持ち悪い。


「亜李沙っ。」それと同時に亜李沙の様子がおかしくなった。


揺れる地面にしゃがみこんで震えている。

  

「亜李沙ッ。逃げるよっ。」なにも聞こえていないよう。


そして、何かに対抗するように「ま・・・き。に・・・・げて・・。」


ブルっと寒気がした。霊感のない私にもソレが見えた。


亜李沙の上に黒い物体がある―。


金縛りにあったように、足が動かなくて、逃げられない。


「あ・・・・・・。」声さえ出せなくなる。精一杯、亜李沙って叫んだつもりなのに。


そしてソレは亜李沙の身体からだを操り、私に手をのばす。


殺される―。そう思った瞬間だった。


ドォォォンという爆音と激しい閃光が一瞬の内に辺りを包み込んだ。


眩しすぎて目を閉じた。


少し経って目を開けると、そこには一人の少年が居た。


「消えろ!」少年はそうゆうと銃のような物を取り出し、亜李沙の上のソレに向けて発砲した。


すぐにソレは苦しみだし、消えた。


少年は消滅したことを確かめ、私の方を向いた。そのはとても怖かった。


「だ・・・」


「あなた、誰?」少年の言葉をさえぎるように言った。

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