表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
7/302

第〇〇七話 生徒会特別制服の疑問です


 生徒会室に入りますと、まだ誰も来ていませんでした。

 いつもよりだいぶ早い登校ですから仕方ありません。

 明日からは真由ちゃんと真琴と一緒に登校することにしようと思いつつ、パソコンの電源を入れました。


 確認作業をしていますと、ドアが開いて山影君が入ってきました。

「おはよう」

「あ、おはようございます陽向先輩。早いですね」

「少し早く来すぎちゃったかも」

 山影君は笑って自分の席に鞄を置いた後、お茶を入れてくれました。

「そうそう、山影君。君と蝶ヶ原君の下の名前教えてもらえる?」

「はい。僕は純です。蝶ヶ原は、康之介」

「……長い名前」

「そうですね」

「康君で良いよね」

「良いと思います」

 本人がいないところではありますが、決定します。

「ところで純君」

「は、はい」

「今日の始業式の時は、康君と二人で仕事をしてもらうことになるけど」

「はい」

「康君……大丈夫かしら」

「あぁ……」

 純君は困った顔をしてため息をつきました。

「タブレットだけなら、何とか……皆さんが来るまで大丈夫だとは思います」

「何かあったら連絡してね」

「はい」

 ガチャリと音がして、いきなりくしゃみをしながら入ってきたのは康君でした。

「おはよう」

「おはよう、ございます。早いですね」

 続いて真琴と真由ちゃんも入ってきます。

「「おはよう」」

「「おはようございます」」


 真由ちゃんが入ってきたときに、何か違和感を覚えました。

 なんでしょう、なにか、違う。

「真由…ちゃん?」

「なあに?」

「真由ちゃんの制服に……バラがないのだけど」

「うん」

「うん……って」

「副会長と会長の制服にしかバラは付かないよ」

「…………ええええええええええええええええええ!?」

 と言うことは、芹先輩と静先輩の制服にバラがついていたということですか?

 全然気づきませんでしたよ?

「芹先輩のバラ、どこについてました?」

「袖のボタン」

「……。あぁぁぁ、気づきませんでしたああ」

「……陽向、敬語に戻ってるよ」

「芹先輩はいつも袖をまくってるし、静先輩のは金色だからバラだと気づきにくかったのかも」

 真琴が笑いながらそう言ってくれました。

「な、なるほど。三年生は金でしたね」

「うん、だから敬語」

「あ、あ。うん。ええと、何で女子だけこんなに目立つところに……」

 真琴と真由ちゃんは顔を見合わせて首を傾げます。

「さぁ、理由は知らないけど」

「純君と康君の袖のボタンは?」

「えっ、あっ、ただの青です」

 康君と呼ばれて驚いたのか、腕を上げればいいところを回れ右をして後ろを向いてしまいました。

 それはまるで中に水が入っているような……そんな綺麗なボタンでした。

「綺麗ですね」

 そうなりますと、二年生の赤いボタンは……まさか血のようとか……!?

 修斗先輩がそうだったはずですよね……って、付いているのを見たことがないですよ。


 その時丁度修斗先輩が入ってきたので、聞いてみました。

 返事は簡潔です。

「芹が怪我をしないように」

 つけていない……ということだそうです。

 修斗先輩の後ろから入って来た、芹先輩は今日も今日とて袖をまくっています。

 せっかくの金のバラのボタンが見えませんね。

「芹先輩。どうしていつも袖をまくっているんですか?」

 芹先輩はニッコリ笑いましたが、目が笑ってませんよ!

 答えたくないならいいのですいいのですいいのです!

 ガクブルしていますと、芹先輩が生徒会長の席について皆を見回しました。

「今日は始業式だけど、入学式の準備の最終確認があるからお昼を食べ終わったら集まってね」

「「「「「「はい」」」」」」

「それから、二年生の赤いボタンなら修斗の席の引き出しのどっかに入ってると思うよ」

 

 修斗先輩が引き出しを開けて探してくれて、渡してくれました。


 想像では血のような……なんて思いましたが、さすがにデザイナーの方もその辺は考えたようで薔薇輝石ロードナイトと呼ばれる石でできているそうです。

 少しピンクがかった赤とでもいうのでしょうか。

 ちなみに、青いボタンは水玉髄シーブルーカルセドニーだとか。

 初めて聞いた名前で、特に青い方は覚えていられそうもないです。


 日本名で覚えておきましょう。うん、それがいい。



見た目で石の名前を出しましたが、実際ボタンにできる素材かは不明です。

こんな感じのボタン……という感じで捉えていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ