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私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
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第五十七話 お久しぶりです



 高校の生徒玄関前に、生徒会らしき人が数名立っているのがバスから見えました。

 バスがゆっくりと構内に入り停車すると、皆さんが近づいてきます。今年の一月に会った三宅会長と江本君がいました。

「お久しぶりです」

 芹会長が言いました。そう、そうですよね。春休みにお二人は泉都門に来ていたんですもんね。

「ようこそ。長旅お疲れ様でした」

 顧問の先生なのでしょう、微笑んで言うと理事長と握手をしていました。理事長と聞いて驚いています。

 グラウンドが近いのか、運動部のかけ声が大きく聞こえました。窓を開けているのでしょう、ブラスバンドの練習する音が聞こえています。


「さぁ中へどうぞ」

 スリッパに履き替えて中へ入りますと、夏だというのにひんやりとしていました。

「涼しいですね」

「あぁ…今年は冷夏のようでしてね。夕方になると涼しいですが。さすがに昼間の窓際は暑いですよ」

 エアコンはついていませんからと道外出身らしい先生が苦笑していました。

 冬はどうしているのかと尋ねますと一階にある教室に案内してくれまして、窓際の壁の下にあるヒーターを見せてくれました。

 体育館は災害避難場所に指定されているらしく、ヒーターがついていましたが、生徒の授業中につかうことはないとのこと。それ、凍えないですか?

 大きな行事がある時はつけることもあるそうですが、なかなか温まらないそうで大きな扇風機のようなヒーターを入れて一気に温めるそうです。うん、意味が分からない体育館のヒーターですね。

 部活中の生徒がこちらを不思議そうに見ていますが、声をかけてくることはありませんでした。事前に通達してあるのかもしれませんね。

 校長先生は外出していたようで、戻ってきた連絡が入ったと校長室へと向かいました。

 校長先生も理事長が来たことに驚いていましたけど、やはり普通は来ないですよね理事長って。

 夕食までに時間があるのでと、控え室で休憩を取ることにしました。

 窓を開けてあるのですが、何となく炭火の香りがします。用意しているのでしょう。ワクワクします。

 イスに座ってから携帯を取り出して、連絡をするのを忘れていたことに気づき、まず父に着いたことをメールして次に香矢さんに同じく着いたとメールしました。

 今日はここで夕食を食べた後はホテルに戻るだけですが、明日の午後は自由時間をもらえるので香矢さんと千歌さんに会いにいくつもりです。

 すぐに香矢さんから返信が来て連絡をしてくれれば迎えに行くよとありました。時間が分からないので明日連絡すると返信しました。

 父はたぶん仕事中でなので返信は遅くなるでしょうし、ホテルに帰ってから電話をかけることにします。 華さんへは控え室で撮った写真付きで送ったところ、元気そうで良かったと返信が来ました。

 寮に入ってからなかなか会えていませんからね。

 北海道から帰ったら少しは家族とのんびりできるでしょう。


 お土産は何が良いかなと、一日目にして考えていたのでした。



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