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私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
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第五十三話 友千鳥高校に来ました

 友千鳥高等学校の校庭でバスを降りたのですが、昨年副会長だった福田…なんて言いましたっけ。と、ともかく福田元副会長が生徒会長になっていました。

「全員来るのは聞いていたが、後ろの二名は何だ?」

 風紀委員を見て目を細めて睨むように見ています。

「えーとね。護衛」

 芹会長が小首を傾げて可愛く言いました。

 若干動揺を見せましたが、福田会長すぐに立て直しました。さすが。

「…泉都門ほどではないが、こちらにもそれなりにいるのだが?」

「友千鳥の方に警戒しているわけじゃないよ、まぁ後で説明するからさ」

「……友千鳥高等学校へようこそ。今年は浦地うらじ高校が来ているぞ」

「あぁ、そっか。去年は来なかったもんね」

 今年は交流している全校参加みたいですね。

「一年に案内させる。峰馬ほうば、体育館へ案内しろ」

「はい。初めまして、生徒会書記の峰馬 めぐると言います。皆さん、こちらへどうぞ」

 峰馬君に案内されて体育館へと移動しました。

 昨年見なかった制服の生徒がいるので、それが浦地高校でしょう。

 濃い緑のブレザーで下は淡いグレー。意外と目を引く色です。

 私たち泉都門を見つけると何となくふわふわといった様子でこちらに近づいてきました。何でしょう、妖精さんみたいな可愛さです。スカート丈が短いですが嫌な感じがありません。

「こんにちはー。泉都門さんですかー?」

「こんにちは! 浦地さんですか」

 芹会長、別に同じように“さん”づけで呼ばなくても…。

「はい、浦地ですー。今期生徒会会長、金城かねしろ英太ですー」

 へー、金城英太さ……は、はいっ!? 

「ス、スカート…」

「あー、これ? 実はキュロットだったりー」

 女の子にしか見えません。どうみても女の子です。

 しかも、そのキュロット上から見ただけではスカートなのです。キュロットの上に薄く一枚スカートのようになった布がかかっているのですよ。

 その制服特注ですね? 

「会長! いくらキュロットだからってピラピラしない!」

 浦地高校の生徒会の方でしょうか。慌てたように走って来て金城会長の手を抑えていました。

「す、すみません。今、上に着せますんで!」

「やだー暑いー」

「会長!」

 じたばたしていますが、やっぱり女の子にしか見えません。

「可愛いから良いんじゃない?」

 芹会長の言葉に上着を着せようと躍起になっていた方がピタリと止まりました。

「わー、ありがとう~!」

「僕は泉都門生徒会会長、一条芹。よろしくね」

「芹君よろしく~!」

 固まったままの方の肩を叩いて解凍した後、改めて挨拶をしました。ちなみに彼は会計の江間さんだそうです。

 浦地高校は今回二人だけで来たそうですが、何と生徒会のメンバーが十二名いるそうです。

「一宮さんと並べると倒錯的で面白そうだね」

 面白がらないでください。和香はそういうのに乗っかっちゃうんですから。

「早く来ないかなー花時学園生徒会ー」

 今から来るなとメールしても遅いですよね。


 ハリセン持って来れば良かったと今頃思いました。



金城会長は異性が好きな方です、はい…

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