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私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
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第三十九話 席替えです


 一時間目が珍しくホームルームになっていて席替えをすることになりました。

 わかりやすくクジ引きです。

 まぁ今まで名前順でしたからね。名前も覚えたでしょうから、良い頃合いですね。

 一番前は遠慮したいなと思いつつクジを引きました。

 廊下側の後ろから二番目。なかなかいい所を引きました。

 ホクホクしつつ机と椅子を移動すると、後ろに速水君でした。

 先ほどまで右隣にいた奈津子さんは真ん中の後ろでした。速水君がいた場所ですね。

 今回のお隣はおっとりとした桜塚さんです。

「よろしくお願いいたします」

 ほんわか微笑んで机を移動してきました。

 お嬢様、意外に力持ち。

 横に鞄がかかったまま持ってきましたね。私もそうやって持ってきましたけれど、桜塚さんは運んでもらわないと移動できないくらいか弱いイメージでした。

 見た目で判断できないことを改めて知りました。

 力持ちなのねって言いましたら、またほんわか微笑んで「握力もあるの」と手を出したので握手をしたら、とても強い力で握られました。痛いと思う寸前でしたけど。

 それで半分くらいの力ってすごいですね。

「こう見えてもアームレスリングの学園大会で優勝したの」

 そんな細腕で強いとは…凄いとしか言いようがありません。後ろの速水君も驚いていました。

 って…え? そんな大会学園でやってたんですね。

 生徒会主催じゃなさそうですが。後で調べてみましょう。


「小山内君になら勝てるかも」

 小山内君の席が桜塚さんの左隣りだったので、名前を呼ばれた小山内君がキョトンとした顔をしてこちらを見ています。

「意外ねぇ…今年の学園祭の出し物それにする?」

「あら、面白そうね」

 まだ五月なのにそんな話が出ました。

 さすがに桜塚さんだけにやってもらうことは出来ないですから、数名、力が強い人を選ばなきゃいけません。

 そうなりますと…。

「一学期中に第一回二年一組アームレスリング大会を開きましょう」

 こうなりますね。 

 といいますか、何回開くつもりですか奈津子さん。

「観戦形式でやるとお客さんも呼べそうじゃない?」

 何だか皆さんやる気満々なのですけど。

 篠田先生を見ると困ったように笑っていました。

「森山。きちんと机を運んでから話をするように」

「はい」

 森山さん廊下側から窓際への移動なのですが、真ん中あたりで話に参加していました。

 照れ笑いをしながら机を自分の場所へ運んで行きます。

「ちょっと小山内とここで戦ってみてくれない?」

「いいけれど」

 さっと桜塚さんが手を出しました。

「おいおい、怪我するようなことはやめてくれ」

「大丈夫です篠田先生。手加減しますから」 

 桜塚さんの言葉にむっとしたらしい小山内君が手を出して、奈津子さんの号令でとうとう始めてしまいました。

 結果ですか?

 席替えが終わった机に突っ伏していますけど。


 小山内君、学園内女子という限定とはいえ大会のチャンピオンです。

 負けても不名誉ではありませんよ。


 …たぶん。



あくまでも学園内です^^;

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