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私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
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第二百二話 応援団入場



 この熱気にさすがに種目中にやるのは危ないということで、急遽応援団演武を昼食前に移動しました。

 前半の種目を終えたところで、生徒を席に戻しまして。

 康君と純君と修斗先輩が臨時に枠を作りまして、その中での写真撮影のみ許可する形になりました。


 場所を指定するとお嬢様方がグラウンドを全力疾走……。

 

「走らないでください」

 放送部が言ってくれますが場所取りに熾烈な争いが起こっています。

 どうしましょうか……と思っていると芹先輩が応援団が立つ場所へといつのまに行っていまして、お嬢様方にニッコリと微笑みました。

「応援団演武中止しても良い?」

 それほど大きな声でもなかったのですが、ピタリとお嬢様方の動きが止まりました。


「後ろの人には台を出すから」

 その後は、先ほどが嘘のように並びました。


 テントに戻ってきた芹先輩がイスに座ると応援団が入場してきます。

 大人しくしていたお嬢様方から黄色い悲鳴が聞こえました。


 まだ遠いのにシャッター音が凄いです。

 康君と純君がしゃがんで枠のそばに待機していますが、耳を塞いでいるところを見ると相当な音量になっているみたいですね。

 学園の外にまで聞こえている可能性大です。


 早良君と速水君がテントに来て疲れた様子だったので飴を渡しました。

「お疲れ様」

「風紀委員なのに、応援団の護衛にでもなった気分だった……」

 ホールからグラウンドに入るまでの道でも大変だったようです。

「帰りもよろしくー」

 芹先輩の言葉に早良君はその場に膝をついて項垂れていました。帰りの方が大変そうですけど頑張ってくださいね。


「来年の団長はどうなるんでしょうね」

「あぁ、団長の斜め横に立っている二年生の二人が引き継ぐみたいだよ」 

 副団長と書かれた腕章をしているのが見えました。

 確か、六組の本橋君と五組の京谷橋さんですね。

 京谷橋さんは女子生徒ですが、きりりとして某歌劇団の男役のように格好が良く、女子に人気の生徒です。

 真琴と人気を二分しているそうなんですが、真由ちゃんいわく京谷橋さんの方が王子様みたいだと言っていました。

 和香みたいな感じかと思われます。

 人目があるところでの和香の王子様っぷりは凄いですよ。

 女子の目がハートになってるんじゃないかと思うくらいの熱気になります。

 巻き込まれるこちらは大変なのですが。

 

 中学生の時の黒歴史は思い出さないようにしましょう、うん。


 ともかく、大変人気のある生徒ですので。

「来年も大変そうね、風紀委員」 


 呟くと、早良君も速水君も深いため息をついたのでした。




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