第二百一話 騒動の予感
先生たちのところに飲み物の差し入れをしに修斗先輩と行くと、校長先生が疲れた様子でイスに座っていました。
「校長先生、飲み物をどうぞ」
「あぁ、ありがとう。久しぶりに緊張したよ」
大きなイベントがあると大抵理事長が挨拶に出てきましたもんね。
「水崎くんは競技にでるのかい?」
「はい、一種目だけ出ます」
「そうか、応援しているよ。頑張って」
「ありがとうございます」
差し入れを渡し終わってから生徒会のテントに戻ると、学食からのお弁当の数の最終確認の電話がきていました。
放送部の生徒にも差し入れをしてから席に戻り、休憩していると速水君がやってきました。
「陽向ちゃん」
「速水君、お疲れ様。何かあった?」
「一位取って来たよ」
笑顔で一位の証拠であるメダルを見せてくれました。
「おめでとう……えーと。これよね?」
キャラメルを渡すと、とっても嬉しそうに受け取ったのでクッキーをさらに追加でプレゼントしました。
「風紀委員の仕事をしながらで大変よね」
「陽向ちゃんこそ、体調は大丈夫なの? 無理しないようにね」
「ありがとう」
手を振って仕事に戻っていた速水君を見送ってからイスに座ると、次の種目が終わった頃に風紀委員の生徒がやって来てキャラメルをねだられました。
風紀委員の皆さんって本当に足が速いんですね。
驚きつつもキャラメルを渡すと、早良君がやってきました。
「早良君も一位?」
「……いや、まだ出てないから」
「あ、そう。えーと、何か用事?」
「応援団の出待ちが結構いてさ。ホールのところ集まってる生徒、どうにかしたいんだけど。何ていうか……熱気がすごいんだよね」
「あぁ……」
団長二人が今回で最後ですから、熱の高さもわかろうというものです。
「このままだと危ないからさ」
「わかりました、それじゃ私が……」
「いや、修斗に行かせるよ」
芹先輩がこちらを振り返って言いますが、それはちょっと逆効果というものですよ。
「修斗先輩だと、逆に盛り上がる可能性が大です。ここは私が」
「それなら、真琴くんに行ってもらうよ」
「私も一緒に行って……きます」
真由ちゃんがキリッとした顔で言った後、私の微笑んで「任せて」なんていうもんですから、頷いて座るしかないじゃないですか。
しばらくしてカメラを抱えた女子がぞろぞろと会場へと戻ってきたのが見えました。
一枚でも多く撮りたいという気持ちは分からないでもないですけど、怪我でもしたら大変です。
この後の応援団の演武も大変そうですね。




