表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
199/302

第百九十九話 体育祭朝



 いよいよ明日が体育祭という日に、お医者さんの診察を受け一種目だけなら出ても良いと言われましたが、許可が出たのは借り物競走でした。ううん、嫌な予感が……。

 それ以外は生徒会のテントで待機ですね。


 一種目とはいえ許可がおりたので体操服を用意して、体調のためにも早めに就寝しました。


 朝、目が覚めて身支度を整え。

 体育祭ですし、バングルは外しても良いですよね? と片倉さんに尋ねると大庭さんと一緒に首を横に振られました。

 えーと。

 ダメですか。

 そうですか。

 体操服にバングルって制服より目立つんですけどねえ。競技に出ている時くらいは外しても……。

 ……………。

 どうやらダメなようなので諦めて体操服を着ました。


 そのまま姿見で全身を見ましたが、どうやってもチグハグの上たいへん目立ちますよね、これ。

 あまり光らないようにつや消しされているのですが、それでもやはり体育祭に見た目は装飾品。

 もう一度二人を見ましたがやはり首を横に振られ、仕方ないので薄手の長袖の上着を着て登校することにしました。


 学園に着くとすぐに生徒会室でミーティングをしてからテントへと移動です。


 すでに放送部の坂崎さんがマイクのテストをしていました。早いですね。

「おはようございます」

 声をかけると、振り向いて笑顔で挨拶を返してくれました。

「いい天気になって良かったですよねー。……ほいほい、こっちは聞こえるよ、そっちは? ……あ、ごめんなさい、イヤホンのテスト中で」

 片倉さんがつけているのと似たような形のものが坂崎さんの右耳についていました。

 片倉さんも時々独り言のようにしゃべるので慣れていますよ。

 

「今年は理事長の挨拶ないんですってね、残念です」

 昨年はレッドカーペットにバラが用意されましたよね。芹先輩がバラを撒いたんでしたっけ。

「今年はどうしても外せない仕事が入っちゃったみたいで、ガッカリしてたね」

 なるほど、それで用意する備品の項目にカーペットやバラは含まれていなかったんですね。

 納得しつつテントの一番奥にある席に着いて、準備をします。


 そして鞄とは別に持ってきた袋を側に置きました。

 何が入っているかといいますと、昨年一位のご褒美にと皆さんが欲しがったキャラメルです。キャラメル以外にもお菓子が入ってはいますが、それは生徒会役員のおやつです。


 生徒会の準備が整った頃、生徒の座るイスが運ばれ始めました。ベテランの方が多いので早いこと早いこと。運び終わると芹先輩に書類を確認してもらいにテントへと代表者が来ました。

 イスの数などの確認を終えて判子を押すと、良い笑顔で帰って行きました。 

 一脚だけ脚についているゴムが破損していたため予備のイスを出したらしく、さっそく芹先輩が業者に電話をかけています。


 ざわざわと騒がしくなってきたので生徒の皆さんがこちらへ向かっているのでしょう。

 

 さぁ体育祭の始まりです。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ