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私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
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第百八十三話 登校したものの



 次の日から一応学園へ行くことを許可されましたが、片倉さんだけでなく昨日紹介されたばかりのメイドさんを引き連れての登校となりました。

 私、何様でしょう……。

 片倉さんは姿を隠すというか人に気づかれないようにする技能をお持ちですが、メイドさんはスーツを着ているとはいえ私にぴったり着いて来るので、心配して声をかけてきてくれた生徒や先生に「護衛の人変わった?」と必ず聞かれました。

 まさかメイドさんですとは答えづらく……だってメイドさんを連れて歩く生徒はこの学園に一人もいないんですよ?

 寮にメイドさんがいる生徒はいますが、私みたいに連れて歩いている人は居ないんです。

 護衛だと思われていることが、まだ救いでしょうか。


「おはよう、陽向ちゃん……えーと、こちらどなた?」

 生徒会室に行くと芹先輩に言われて思わず笑ってしまったのですが。

「私が倒れたりしないようについていてくれるメイドの大庭さんです」

 大庭さんは医療の知識があるそうで、もちろんいわゆる医療行為は許可されていないのでしょうけど、応急処置などすぐに対処できる上に、私を簡単に抱えられるので貧血で倒れた場合に保健室などにすぐに運ぶために何処へでもついて来ます。

 片倉さんだとさすがにトイレなどには入ってこれませんものね。

 トイレで倒れる確率が高いので、近くに大庭さんがいつもいるんです。

「恥ずかしいからと言って我慢なさらないようにしてくださいね。そちらの方がお体によくありません」

 学園のトイレには、某お姫様がいるので多少は恥ずかしさも軽減するのですが、ドアのすぐ近くに立っているかと思うと落ち着きません。

「慣れてくださいとしか言いようがありません」

 大庭さんはいい笑顔でそう言いました。

 トイレ内で私が倒れた時はドアを蹴破ってでも助けにくるそうです。絶対に倒れないように体調を気をつけようと思いました。


 しかもメイドさんですから、私の身の回りのお世話までしてくれるんです。

「一人で出来ますから……」

「陽向様の体調が戻られたら、お好きなようになさって結構ですが」

 上履きに履き替える時も、さっと出して外靴をしまってくれたり。階段を上るときも支えてくれたり。

 鞄も持ってくれてって……本当に私何様なんでしょう……。

 

 放課後の生徒会の仕事はきっかり一時間で大庭さんからストップがかかります。

 帰る支度をしていると芹先輩が今回の体育祭の書類を渡してくれました。

「今年は、昨年に新調したものが多く使われるから昨年ほど大変じゃないよ。だから心配しなくていいからね」

 そういえば昨年はやたらと新しくしたので色々発注など大変でしたよね。

 先生方も生徒会に丸投げしすぎだと思うんですよ、本当に。

「陽向ちゃんは十一月に修学旅行が控えてるんだから、無理しないこと。旅行を欠席したくないでしょう?」

 それを言われると何も言えません。

「体育祭も見学になる?」

「その日の体調によると思います」

 今はまだ走ることは許可されていません。

 座った後、立ち上がるときにもゆっくり動くように言われています。


 笑いすぎてもダメとか……拷問ですか。



人間、笑うなと言われると何故か笑いたくなるもんですw

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