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私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
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第百七十四話 寮の部屋で


 かかりつけの病院に連れて行かれ、帰って来たのは何故か夕方でした。

 そんなに遠い場所にあるわけでもないのに、何でこんなに遅くなったかと言いますと、脳波を取っていたからです。

 カウンセラーの先生ともお話をして学園の車で寮へ帰ると真琴と真由ちゃんが寮監さんの部屋で待っていました。

 一緒に食堂で夕飯を取って、部屋へ戻ると私の部屋で就寝時間までお話をすることになったのですが、その前に芹先輩と修斗先輩にメールを送って、さらに父にも連絡をして、とっても忙しくなりました。


「明日も寝坊したらどうしようって考えて眠れなくなりそうで」

 ため息をつきながら言うと、真由ちゃんが自室から時々飲むという瓶に入ったミルクを持ってきました。

「ホットミルクにして飲むといいよ」

 そう言って温めてくれまして、それを飲むと何だかすぐに眠くなってしまいました。

 まだ早い時間だというのに、せっかく来てくれた二人を帰すことになってしまって、本当に申し訳なく思います。

「眠れるなら、眠った方が良いよ。明日の朝は心配しないで起こしにくるから」

 真琴が言ってくれて、ほっとしてベッドに入ったのです。


 そして次の朝。

 真琴と真由ちゃんがかなり強くドアを叩くまで、ぐっすりと眠っていたのでした。


 二人が起こしに来てくれたので寝坊は免れましたが、どうもぼんやりして集中できません。

 学園祭で仕事ができなかったので、体育祭の準備は、しっかり仕事をしようとハリキっていたんですよ。


 ですが、字を見ると眠くなるという、何ですか何かの呪いですか。


 授業も集中できないので、速水君にお願いしてノートを借りることにしました。

 そうしたら、別にノートに書き写してくれまして。本当にありがたかったです。


 それにしても、困った現象ですね。

 集中できなかったので生徒会の仕事をお休みして、結局皆さんにご迷惑をかけることになってしまいました。


 このままならば、いずれ生徒会を辞めないと行けないかもしれません。


 深いため息をついて寮のベッドにダイブすると、仮眠のつもりだったのにそのまま寝てしまったのです。 室内着に着替えていたから良いものの、制服なら皺になって大変でしたね。

 しかも誰か、誰でしょう……ともかく誰かが毛布を掛けてくれたみたいでした。


 目が覚めて時計を見ると、午前四時です。

 いくら何でも早起き過ぎですが、このまま二度寝すると絶対寝坊しそうなので起きていることにしました。

 頭がすっきりしているうちに、速水君がくれたノートで勉強をして、それから軽く仕事をして生徒会室に送信してから、もらったSDカードに入っている学園祭の写真を眺めていました。


 少しだけ涙が出て、机に突っ伏しました。



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