第百七十二話 穏やかな時間
短めです^^;
もう少し休んでいても良いんだよ……と皆に言われましたが、迷惑をかけた分バリバリ体育祭へ向けて働きますとも!
「今年も応援団の応援があるけど、一年生に行ってもらうからね」
「私が行っても良いですけど?」
「良いから、陽向ちゃんは座って。はい、これお願いね」
「はぁ……」
仕事ですからやりますが、座ってばかりだと逆に疲れるんですよ。
体が固まるので、少し動こうとすると誰かが必ず飛んできました。
「何か用事があるの?」
芹先輩がニッコリ笑顔で言います。
「いえ、あの少し運動を……」
「喉乾くだろうから、お茶入れて来ます!」
「あの、純君。別にお茶は……」
「陽向ちゃん疲れたなら、ソファで休んだら?」
「いえ、そこまででは……」
「さぁさぁ」
芹先輩に背中を押されて純君にお茶を淹れてもらい、現在ソファで休憩中です。
向かい側のソファでは片倉さんが横になっていますが、良いんですか? 護衛ですよね?
視線を感じたらしく、こちらを見るとウィンクをしてきました。
まぁ、別に良いですけど。
私はため息をついて、純君が淹れたお茶を飲みました。
「んっ! 何、これ。美味しい!」
「良かった! 母の実家から送ってもらったお茶なんです」
純君のお母様のご実家は、お茶の農家さんだそうで結構な高級茶を扱っているそうです。
淹れ方も教えてもらったんですよ……と純君が嬉しそうな顔をしました。
今までのお茶が美味しくないというわけではなく、純君の淹れたお茶が格段に美味しいのです。
「わあ、ボクも飲みたい。淹れてもらえる? 純君」
「はい!」
結局全員での休憩になりまして。
ちゃっかり片倉さんもお茶を飲んでいました。
「これ、うまいな。どこの茶葉だ?」
「えーと。ここです」
袋の後ろの下に名前と住所諸々書いてあるシールが貼ってありました。
「祖父さんに飲ませたい。ネットで買えるか?」
「買えるとは思いますけど」
それなら、私も自宅と香矢さんの家に送りたいです。
「淹れ方にこつがあるので、良かったらお教えしましょうか」
「頼む。何かに書いてくれないか」
「わかりました」
寮の自室に戻ってから検索しますと、ほうじ茶もあったので、さっそく自宅と香矢さん宅に送りました。
華さんと龍矢さんには、うちで父と飲んでもらいましょう。
何だか明日からまた頑張れそうです!