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私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
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第百五十八話 学園祭中なんですが

ご心配をおかけしました

投稿再開でございます^^



 もちろん……お化け屋敷から片倉さんに連れ出されまして。現在、理事長室で速水君と一緒にソファに座っています。


 秘書らしき方がお茶を入れてくれまして、少し温めのお茶が美味しかったです。

「意外とのんびりしてるね」

 速水君が呆れたような笑いを見せながら言いますが、いざという時、疲れて動けないなんてことがあってはならないわけですよ。

 片倉さんはゼロへの報告で別室にいましたが、何故か真横に松岡さんが立っています。

 キリリと姿勢を正して伸縮性のきくらしいスーツです。普通のだと蹴り技が使いづらいのだそうで……蹴りが得意なんですね松岡さん。


 時計を見るとまだ学園祭中の時間ですので、思わずため息をつきました。

 

 片倉さんが電話を終えて戻ってくると、難しい顔つきをしていました。

「やっぱり学園にいない方が良いんじゃないかっていう話になった。今日会った奴がいたってことは、ハグレの忍者が集まった集団の可能性が高い。最近あちこちで噂を聞くんだ」

 私ががっくりと肩を落としていると、理事長に慰められました。

「なるべく早く終わらせるように私も手伝うから。気を落とさずに匿ってもらいなさい」

 命がかかっているんだからね。

 そう言われて。

 もはや、私の我が儘で“いいえ”と言ってはいけないような気がしました。

「というわけで、今から行く」

「え? 何も準備してませんけど」

「あちらで用意するから心配しなくていい。躊躇している間にあちらが体制を立て直す。速水とか言ったか? 生徒会に説明を頼むな」

「……わ、かりました。…………陽向ちゃん……」

「ごめんね、速水君。迷惑かけて」

「迷惑だなんて! ……気をつけて。僕らは待ってるから」

 頷いてから片倉さんと松岡さんに守られながら理事長室を出ました。


 えーと。

 ただいま廊下を歩いているのですが。

 実は未だコスプレ中です。


 着替えたいのですが、今は口に出せる雰囲気ではありません。途中で松岡さんが気づいてくれて上着をかけてくれました。

 理事長室がある棟は学園の真ん中にある“運命棟”“宿命棟”“天命棟”の三つの棟のどれかだと言われています。

 出るときに色々考えたのですが、出口が入る度に変わったりするそうで、結局どれにいたのか分からず終いでした。


 通常、地下で車にのって地上に出るのだそうですが、今回は隠し階段を使って外へでました。

 この学園は隠された物が結構あるんですね……。


 三人で地上に出て、車に乗ろうとした時でした。


「随分と待たせるな?」


 声が聞こえて片倉さんと松岡さんがさっと構える体勢になった途端でした。

 私たちににじり寄って来るのは、何の訓練も受けていないであろう一般生徒。

 片倉さんが私を後ろにかばいながら壁際に後退しました。出てきたドアは外からは開けられない構造らしく、振り返っても何処にドアがあったかわかりません。

 

 生徒たちの向こうには何故かお祭りで売っているようなドラ○もんのお面をつけた男性が立っていました。

「ド○えもん!?」


 私が思わず叫ぶと、片倉さんが吐き捨てるような笑い声を漏らしました。



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