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私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
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第百五十一話 ファミレス



 目的のファミレスに着くと、奈津子さんがすでに来ていました。黒塗りの高級車二台で若干目立ってます。

「陽向さん、疲れた顔しているけど大丈夫?」

「うん、何とか。それよりお腹すいた」

 時計は午後九時をさしています。遅くても七時くらいには食べるので、さすがにお腹が鳴っています。

 店内に入ると家族連れが多かったのですが、多人数掛けのテーブルが一個だけ開いていまして。

 そこに、私と奈津子さんに久保さん片倉さん、奈津子さんが乗ってきた車の運転手の坪井さんの計五名で座りました。

 角にあるのでL字型の椅子でして、中央に私と奈津子さんが座ることになりました。

 ジュースやサラダなど久保さんや坪井さんが代わりに取りに行ってくれるので、一部の家族から注目を浴びているのはご愛敬。

 奈津子さんはメニューを広げてはキラキラした目で頼もうとします。

 奈津子さん、いくら五人いるとはいえ……そんなに食べれませんから。

 

 食事が終わると全員でレジに行きます。

 奈津子さんがカードで払いますが、これは以前に話し合ったことでして。次回は私が奢ることになります。

 その時、子供が二人こちらに走ってきてぶつかりそうになりました。

 あのまま来ると私か奈津子さんにぶつかったであろうと思います。ですが、それを片倉さんが阻止しました。

「危ないぞ、坊主」

「ごめんなさーい」

 二人はトイレの方へと駆け込んで行きました。

 支払いも済ませて外へ出ると、久保さんが私たちに走るよう促します。

 坪井さんの車は後部座席に誰も乗せずに先に出まして、後から奈津子さんと私が後部座席に乗った車が出ました。片倉さんは助手席です。

「大丈夫ですか、片倉さん」

「まぁ何とか。手首までの防刃シャツ着てたから刺さらなかった」

 久保さんと片倉さんの会話に私と奈津子さんは驚きました。

 あの時子供が持っていたのはミニカーでした。

 刃物は見あたりませんでしたよ。

「仕込み刀みたいなのだな。カッターみたいに出る刃が仕込まれていたんだろう」

 片倉さんの腕には赤く痕がついていました。防刃シャツを着ていなかったら刺さっていた場所なのでしょう。

「あの角度からして、たぶん狙われたのはあんただ」

「こ、子供に?」

「今日会ったばかりだろ、あいつだって子供だ」

 佐里君を思い出して私は思わず目をギュッとつぶりました。

「ということは、あの子も忍者?」

「そうだと思う。俺たちの仲間じゃない。子供を使った辺り巧妙だな」

 佐里君よりも、もっと幼い子でした。

「では、湯江家の方ではありませんね」

「だとすると……。面倒なことになったな」

 ミラー越しに見える久保さんが難しい顔になって……。片倉さんはどこかへとメールを送り始めます。

 一度メールを見せてもらったのですが、暗号になっていて私には読めませんでした。解読してくれそうになったのを断って、それ以降二度と見なかったのですが。


「いったいどういうことなの?」

 奈津子さんが久保さんに言うと、学園に着いてから説明しますとの声が返ってきました。



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