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私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
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第百四十一話 駄々漏れですよ

若干短めです


 寮内でも安心して過ごせないと分かったあたりから、片倉さんのお祖父様から里に匿った方が良いんじゃないかという打診が信三郎さんにあったそうで……というか毎日来てニコニコ顔で言われるそうです。


 私は学生ですし、学生の本分は勉学ですので里には行けませんとお伝えくださいとお願いしたのですが。

 それにさすがに寮内でどうこうしようとは、あの先輩も思わないと思うのですけど、楽観視しすぎでしょうか?

 会う度に鋭い視線が来るだけですし。

 これが一般の生徒だったらと思うと少々怖いのですが、生徒会役員──それも副会長──という立場のせいなのか、あれ以降は睨まれるだけで特に何もありません。

 芹会長や修斗先輩だけでなく、なんと……元、芹先輩の非公認ファンクラブの面々が動いていると聞きました。

 誰に聞いたかと聞かれれば、片倉さんにとお答えしましょう。


 今は解散しているはずですよね。

 不思議に思って片倉さんに聞きますと、解散はしているものの集団としては機能しているらしく。芹先輩がニッコリ笑顔で「お願い」と言えば二つ返事で行動するとか。

 何やってるんですか芹先輩……。

 助かるのは確かですけど、ファンクラブという名前が消えただけじゃないですか。

「さすがは更科が仕えているだけのことはある」

「片倉さん、修斗先輩のこと知ってるんですか?」

「いや、更科を知っているだけ」

 修斗先輩の親御さんと知り合いとかなのでしょうか。そのわりには余所余所しいですよね。

「ところで陽向さあ。本当に里に来ない?」

「ですから、私には勉強という……」

「里にも学校あるけど?」

「え?」

 何となく里に学校というと何故か寺子屋を想像してしまうあたり、何かに影響され過ぎているよう気もします。

「里という呼び名ではあるけど、別に実際に里ってわけじゃなくてさ。町なんだよね」

「は……?」

「どこのとは言えないけど、町一つが里なわけ」

 私は思わずポカンとしてしまいました。

「そこで働いている人はほぼ忍者」

 現在いる場所には私と片倉さんだけで、近くには誰も居ません。きっと盗聴のたぐいもないと確認済みなのでしょう。

 だとしても。

「……片倉さん」

「ん?」

「片倉さんのお祖父さんに会うの、早めてもらえませんか」

「良いけど……なんで?」

 何で? 何でと聞きますか片倉さん。

 

 だから、貴方は軽すぎです!

 ほいほい情報を私に話さないでください!



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