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私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
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第百三十九話 甘いものには弱い



 お昼は宣言通り奈津子さんが来まして二人でご飯を食べました。

 特に目立ったことも起きてはいないようで、生徒会からも大丈夫だと言われて来たとのことでしので安心しましたよ。これが後、二週間後とかだと休んでいる暇はありませんからね。

 奈津子さんが高等部の棟に戻ってしまった後、再び仕事をしていると片倉さんから電話がかかってきました。

〔暇か?〕

「某刑事ドラマの課長みたいな言い方しないでください」

〔あれ? 課長だっけ?〕

「……そう言われると自信がなくなります」

 課長さんだったかは自信がありませんが、部長さんではなかったはずです。係長でもなかったような気が……。

 華さんが大好きで録画しているのを見ているので、時々そのシーンを目撃するのです。

〔それで、暇か?〕

「学園祭の準備で本当は忙しいところなんですけどね」

〔悪いが門のところまで来てもらえないか?〕

「…………。あなた、誰ですか」

〔誰って、片倉だけど〕

 おかしいですよね。だって今日は学園から出るなと言われているんです。

 門の内側なら学園だろうと言われるかもしれませんけど、何のための外出禁止かってことですよ。外部と接触しそうな場所に片倉さんが私を呼び出すわけがありません。

 どうしても用事があるなら奈津子さんから連絡があるはずでしょう。

 一度携帯の画面を確認して、確かに名前が片倉だとは確認しました。さて、そうすると本物の片倉さんは拘束でもされているのでしょうか。

 このまま話しても碌なことになりそうもないので、何も言わずに切りました。

 すぐにまた電話がかかってきましたが、もちろん出ませんよ。

 すると今度はメールが届きました。

 読まずに削除もできたのですが、一応確認しますと片倉さんからで。二人で決めた暗号があったので次の電話には出ました。

〔いきなり切るとかなくない?〕

「本物の片倉さん出してください」

〔つーまーんーなーいー! もっとかまってー!〕

 誰だか知りませんが面倒くさい人ですね。

 後ろの方で「いい加減返せ」という声が聞こえて、やっと本物の片倉さんが出ました。

〔すまない。あんただから易々と門には来ないと思ってのことだが、嫌な思いさせたかな〕

「そもそも、さっきの人は誰です?」

〔同僚?〕

 何故に疑問系ですか。こちらが聞いていると言うのに。

「色々考えることがありすぎて、疲れていますから。変な電話かけてこないでくださいね」

〔悪い。えー、お詫びに明日スイーツを差し入れさせていただきます〕

「甘いもので機嫌を取ろうなんて、それこそ甘いですよ」

〔グリュキュの季節限定スイーツを朝から並んで買って参ります〕


 うん、それで許しちゃうあたり私も甘い。



 お店の名前って難しいですね。

 私が適当につけた名前ですので、同名のお店があったとしても関係はありません。


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