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私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
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第百三十七話 早朝の電話



 着物を着ていたので、数名に声をかけられました。

 一条の着物ですって宣伝しておきましたからね! 芹先輩。


 杞憂だったようで、特に何も起こらず終わりました。料理はあまり食べれませんでしたけどね。

 明日は学校がありますので、着物を着替えたらすぐに帰寮です。

 青山神さんには改めてお礼を言いにいくとしまして、芹先輩にもメールを送っておきました。

 明日会った時にもお礼を言いますが、無事に終わったことの報告をしておいた方が良いかなと思ったわけです。


 次の日起きるといつもよりお腹が減っていました。

 そういえば昨日のパーティであまり食べれませんでしたし帰ってきて疲れたので、何も食べずにシャワーを浴びたあと寝てしまいましたので、当たり前といえば当たり前かもしれませんね。

 さっそく食堂へと急ぎました。

 食堂が開いてすぐの時間だったので一番乗りでしたし、食べ終わってもまだ一人という状況で貸し切りのようで不思議な感じがしました。

 部屋に戻って鞄の中を確認し、登校するにはまだ時間が早いので予習をしていた時でした。

 携帯が鳴って、名前を見ると“陽子”と出ていました。これは陽子という名の女性からの電話ではなくてですね、片倉さんからの電話だったりします。

 そもそも片倉という名前も偽名なんですけどね。

 でも、実は片倉という名前の登録もしてあるんです。こちらは片倉さんには通じない番号だそうでカモフラージュ用なんだそうです。どこに通じるかは教えてもらえませんでした。

「もしもし?」

〔あー、えー、こちら片倉〕

「はい、おはようございます」

〔あー、うん。おはよう。寝てないけど〕

「徹夜ですか?」

 私が学園に入ってしまえば片倉さんのお仕事は格段に減るはずではなかったでしょうか。

〔移動中なんで手短に話す。今日は絶対学園を出るな〕

「え? でも、青山神さんに……」

 お礼を言いにいくつもりでと言おうとした時。

 片倉さんの電話の向こうでザザザと何かの音がしました。

〔とにかく、出ないでくれ。また後でかける〕

 返事をする前に切れてしまい、ツーツーツーという音が響くだけでした。


 何かあったようですし、芹先輩に話して明日以降にしてもらうことにしましょう。無理に行くとトンデモ無いことに巻き込まれそうな予感がします。

 通話をきちんと切ってからメールを送ろうとすると、今度は奈津子さんから電話が来ました。

〔陽向さん!? まだ部屋にいるわね?〕

 挨拶をする前に言われて「はい」と答えるしかなく、答えると通話は切れて数分後に奈津子さんが部屋にやってきました。

「おはよう、奈津子さん」 

 部屋の中に招き入れて言うと、奈津子さんは私の両肩をガッと掴みました。

「陽向さん!」

「は、はい?」


「ごめんなさい!」


 は、はい??

 


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