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私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
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第百十九話 ホッとしました



 日曜日の朝。

 目が覚めて携帯を見るとメールが届いていました。

 確認すると芹先輩からで、真夜中にごめんとの件名が書かれていました。


──もしこの着信で起きちゃったらごめん、深夜一時だと陽向ちゃんは寝てると思うけど一応謝っておくね。家の都合で明日明後日とそちらに行けないんだ。早めに終わらせて帰りたいとは思ってるけど、相手も頑固でさ。拗れると明明後日も帰れないかも。左上のBのフォルダに進行状況が簡単にだけど書いてあるので参考にしてね。本当にごめん。帰ったら埋め合わせはするから──


 四、五日は見た方がいいでしょうか。

 フォルダのことを教えてもらえたのは良かったですね。さっそく行って開いてみましょうか。

 と時計を見ると、まだ六時半でした。

 早すぎますよね。


 ゆっくり支度をして七時になったところで食堂へ向かいました。

 食事が終わった頃に芹先輩に返信のメールを送って、少し早いですが寮監の荒田さんに挨拶をしてから寮を出ました。


 まだ早い時間ですし日曜日なので生徒の姿は見あたりません。後一時間ほどすると部活の生徒たちが集まってくるのでしょう。


 生徒会室に入ってすぐに芹先輩のパソコンの電源を入れます。

 フォルダBには芹先輩の仕事どころか修斗先輩の仕事内容まで書いてありました。

 さっそく四日間の仕事を振り分けるためにカレンダーを見ていると、ノックの音が聞こえました。

 のぞいて見ると何と静先輩でした。

「静会長!?」

 勢いよく開けると、以前のように笑っている静先輩が立っていました。

「芹から連絡が来た」

 それだけでしたが、何をしに来たのかはわかりました。

「先輩」

「俺はもう会長ではないのだが」

「あ、すみません。つい」

 思わず言ってしまったのですが、静先輩は笑って私の頭を撫でてくれました。

「安心しろ、俺は役にたつぞ」

「ありがとうございます」

 芹先輩もありがとうございます。これ以上と無い助っ人です!

「まだ学園祭までは時間があるし、急を要する仕事はないとは言われているが、後々できつくなるからな。変更したものもあるんだろう?」

「はい」

「そっちは任せた。俺はこっちだな」

 静先輩は私の席に座ります。

「え? あのその席は」

「陽向は芹のところで、続きをやってくれ」

 八時くらいになると康君と純君、それから真琴と真由ちゃんがやってきて静先輩に皆が驚きましたが、助っ人だと分かって全員がホッとしていました。

 

 昼食はカフェのカツサンドで、康君と純君が買いに行ってくれましたので私はお茶を用意しました。

 休憩を兼ねて昼食を食べた後、まったりとしているとノックの音がして、純君が開けると貴雅先輩でした。

「遅くなってごめんね」

 にっこり笑って手には箱を持っています。

「デザートはいかがですか?」

 ウィンクをしながらテーブルに箱を置いて蓋を開けました。

 中には色とりどりのケーキです。

 あぁぁぁ、糖分! 糖分です!

「疲れてるかなと思って甘いもの買ってきたよ」

「丁度良かった、今休憩中なんだ」

 静先輩が中からチーズケーキを取り出してパクリと食べます。

「うん、うまい」

 私もチョコレートのケーキを食べましたが、何だか体に染み渡るというか疲れが吹き飛ぶといいますか。


 午後からも頑張れそうです。

 


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