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私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
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第百十八話 二人いない



 次の日。

 芹先輩も修斗先輩も生徒会室に来ていませんでした。

 マンガ研究会の部長さんがデータを届けてくれまして、私たち残った二年生と一年生の生徒会役員でそれを確認した後、業者さんにデータ送信しました。

 眠そうな顔をしていましたが、部長さん大丈夫でしょうか。

 お昼をマンガ研究会の皆さんと食べることにして、カフェで待ち合わせをしたのですが。

「今日は土曜日で昼までだから大丈夫。それより一条と更科どうしたんだ?」

 どうやら芹先輩も修斗先輩も教室に来ていなかったそうです。生徒会室にもいないのですからお休みってことですよね。

 メールも返信がありませんし、電話も留守電にすぐ切り替わります。

「昨日、貴雅先輩に連絡してみたんですけど。聞いてみるって言ってくれて以降連絡ないです」

 晃先輩からは一度電話がありまして、わからないとの返答でした。静先輩からは相変わらず連絡がありません。

 皆さんと昼食を取った後、真由ちゃんと真琴と一緒に職員室へ行って、芹先輩のクラスの担任の先生に話しを聞くことにしました。

「一条? 家の事情で休みだそうだ」

 病気ではなさそうなので、そこは安心しましたが家の事情ってなんでしょうね。

 明日は日曜日でお休みですが、生徒会は仕事があります。学園祭まではまだ日にちがあるので急な仕事はないのですけどね。

「真琴は芹先輩の家の番号知ってる?」

「家に帰ったらわかるとは思うけど……」

「……ど?」

「先輩までたどり着くのに時間かかるから面倒」

 取り次ぎの取り次ぎの取り次ぎで、結局いなかったなんてこともあるそうで。

 それは面倒ですね。

「明日も来なかったらお家の方に連絡してみようか」

 修斗先輩からも連絡が無いなんて珍しいです。

 

 生徒会室に戻って仕事をしていると、貴雅先輩から電話がかかってきました。

〔お待たせ。芹と修斗は京都に行っているみたいだよ。本家の祖父さんに呼ばれたみたい。跡取り問題が勃発中だって〕

 夏休みが終わってこちらに帰ってきたものの、その日にお祖父さんが跡取りを発表してしまい、それが芹先輩が聞いていた話しと違ったようでした。

 そうなんです。貴雅先輩の話によりますと、芹先輩が指名されてしまったということらしいです。

「跡……取りですか」

〔夏休みの時ではそんな話しは出ていなかったみたいでね。芹も継ぐ気はなかったみたいだし〕


「ということは、明日も来られない?」

〔どうかなぁ。僕も連絡してみたけど電源切ってて繋がらないよ……〕

 お礼を言って通話を切った後、生徒会役員で顔を見合わせました。

「どうする?」

「今すぐどうってことはないけど……」

「長期になると、大変だね」

 学園祭が近づくにつれ、仕事が増えて行きます。

 芹先輩と修斗先輩がいないとなると、諸々大変なことに……。

「ともかくみんなはいつもの仕事をお願いね。私は先輩たちの仕事を調べるから」

 手分けするにも、何をしていたのかを知らないといけません。ある程度のことはそれぞれに知らされているので、私が調べるのはどこまで終わっているかです。


 休みが短いと良いのですけど……。



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