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私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
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第百十五話 どうします?



 守衛室に早良君と一緒に行って携帯を届け、説明をした後に生徒会室へと行きました。

 すでに業者さんには連絡をして確認が取れているそうです。

 後は守衛さんから連絡が来るのを待つだけですし、生徒会の仕事をしましょう。


 学園祭に体育祭。今年は私たちの修学旅行ですから、色々忙しいですね。

 ホームページで学園祭の詳細を載せないといけない時期になって参りました。

 今年は誰がホームページの監視につくのでしょう。昨年は晃先輩がやっていましたよね。民間の方にもお願いはしてあるのですが、風紀委員でも一応は交代で見張りがつくので、差し入れを考えなくてはいけません。

 昨年は手が足りなくて晃先輩が大変なことになってましたけど、今年は人員を増やすそうです。

「陽向ちゃん、二学期早々だけど中等部に行ってきてくれる?」

「はい、わかりました芹会長」

 今回は真由ちゃんと同行です。

 データを持って学園祭の話し合いに行ってきます。

 

 電話で話し合いも可能なのですが、何故かだらだらしてしまうんですよね。

 こちらが出向くと、やはり中等部も背筋が伸びるらしく長引くことなく進みます。

 データを渡して今年の学園祭の話しをして、予定より少し遅くなって帰ってきました。少しヒートアップしましたね。

 私でなく、珍しく真由ちゃんが。


「へぇ……真由が?」

 生徒会室に帰ってきて報告すると真琴が目を丸くして驚いていました。

「だってコスト削減コスト削減って騒いでるけど、その分クオリティがひどい事になってたんだもん」

 紙質一つにしても昨年使っていたものより半分以下の材質で、真由ちゃんがキレました。

 キレた真由ちゃん初めて見ました。

「中等部の副会長からお詫びの電話が来てたから、何かあったとは思ったけど……」

 芹先輩が私たちが中等部生徒会から最初に提示されたデータを見て苦笑しています。

「いくら何でもこれはね……」

「変更を検討するようにとお願いしてきました」

 いくら年上とはいえ命令する権利はありません。

 あくまでもお願いです。

 泉都門学園の学園祭のモットーは“思い出に残る学園祭”です。それは私たち学生だけでなく、見に来てくださる方々の思い出にも残したいという思いがあるからです。

 そのために色々こだわっています。

 現在再生紙を使っているのですが再生紙にもランクがあって、ギリギリのところを、真由ちゃんたちが中学二年生の時の生徒会長がわざわざ工場まで行って話し合ったという紙なのです。

「真由は当時の生徒会長を尊敬していたからね。思い入れが凄いんだよ」

「え? 芹先輩か修斗先輩が生徒会長じゃなかったの?」

「途中からなんだよ。最初は女子の先輩だったんだけど、イギリスに行っちゃったんだよね」

 なるほど、途中からだとは知りませんでした。

「中等部がこのまま違う紙を使うなら、使うはずだった分は高等部が買い取りますから」

 真由ちゃんが芹先輩にそう言って予算を見せます。

 真琴にお願いしていたらしく、書類の最後の欄には飯塚真琴と名前が入っているのが見えました。

「うーん、三分の一は使えると思うけど……残りはどうする? 余っちゃうよ。来年まで取って置くにしても……」

 しゅんと肩を落とした真由ちゃんがトボトボと席に戻っていく背中をみて、私はひらめきました。


「芹先輩、今から用意するとちょっと大変だとは思いますけど、紙を使ってイベントやりませんか」

「え?」



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