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私は急に止まれない。2  作者: 桜 夜幾
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第〇百四話 準備中です



 台本をさらっと読んでみたところ、全員に役が設定されているようでした。名前はそのままなんですけどね。


 バトラーの笹村さんたちは、そのままバトラーでしたし、信三郎さんも、そのまま会長という役でした。


 船上で殺人事件が起こり、全員で犯人を捜すイベントとなるようです。

 ヒントは現場とバトラーさんたちからの話を聞くことで得られるとのこと。バトラーさんたちと乗員の皆さんは犯人から除外されています。普段の仕事があるからというところもあるのでしょう。

 台本とは言っても台詞は少なく、ほとんどが流れのようなものが書いてあるだけです。

 ただ、その台詞を言う場所は指定されていました。

 速水君と私が同時に言う場所があったので、練習をした方が良いですよね。

 声をかけようと隣に座っていた速水を見ますと顔が赤いのです。

「速水君。顔が赤いけど大丈夫?」

「え、あ。大丈夫……」

 目の前に座っている奈津子さんはニヤニヤ笑っています。

「陽向さん、キャストのところ見た?」

 キャスト?

 最初のページに戻ると、それぞれの名前の上に役柄が書いてあります。

 信三郎さんが船会社会長、奈津子さんは孫。これはそのままです。その他、私たちは研修旅行中の学生ということになっているようでした。

 陣海さん親戚の男性とお兄さんが先生役です。

 お兄さんぴったりですねと思っていると奈津子さんが痺れを切らしたかのように、私が持っている台本の私の役名の上を指さしました。

「ここよ、ここ」

「えーと。同、学生。速水光のこい……びと?」

「そこ、重要なポイントだから!」

「そうなんですか。ということは、この台詞も重要なんですね?」

 やはり練習しなくてはいけませんね。

「陽向さん?」

「はい?」

「えっと、もう少しリアクションが欲しかったのだけど」

「リアクション?」

「何で恋人なの!? とか」

「だって役でしょう?」

 奈津子さんと速水君が無言になって数分間、私は静かに台本を読んでいました。


 次に出してきたのは船内の見取り図です。

 どこからどこが移動可能かの印が付けてありますよ。

 それぞれ二人一組にデジカメが一個配られて、指定された場所で撮れるのは五枚。話は何度聞いても良いそうですが、証言者も動いているので探し出さなくてはならないわけです。

 写真の交換は良いそうで、参加者同士情報交換可能にして、休んだり話し合ったりする場所として、飲み物やお菓子がカフェに用意されることになっているようですね。

 

 制限時間までに犯人とトリックを当てれば賞品がもらえると台本に書いてあります。賞品、何でしょう。

「ところで奈津子さん」

「な、何?」

「これ、信三郎さんのオーケーはもらっているの?」

「もちろんよ、二つ返事で参加してくれるって」


 奈津子さんがニコニコ笑いながら言っていますけれど。

 参加というか、イベント初っぱなからジムでうつ伏せに倒れてる設定ですよ? 良いんですかそれ……。



 イベントはさらっと流れます……(^^;)

 トリックなどは詳しく描写されませんので

 ご了承ください<(_ _)> 


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