犬猿の仲?
俺はその声の方へと振り向くと、なぜだか
右意が不機嫌そうな表情を浮かべこっちを睨
んでいた。
「どうしたんだよそんな機嫌悪そうな顔して
、なんか悪いことしたか俺?」
「別に」
右意は頬をふくらませて窓から見える景色
に顔を向ける。そして更に独り言のように呟
く。
「せっかく友達がいない君に優しい優しい私
がお前の唯一の友達になってやろうと思っ
ていたのに」
「そんなこと思ってくれてたんだな。ありが
とな気を使ってくれて」
「なっ・・なんで私の考えていることがわか
ったんだ!?お前は超能力者か」
「いや、窓に向かってたそがれながら思いっ
きり独り言呟いてたぞ」
「なっ・・なに!?私としたことが無意識にそ
んなことを。今のは忘れろ」
右意は赤面して慌てて否定する。やっぱり
天然なんですね右意ちゃんは。まぁそれもひ
とつの個性だから大切にするべきだと思うけ
ど。
「ちょっと、なんなんですかあなた。姓さん
とイチャイチャしないでくださいよ。いく
ら私と姓さんとの関係が羨ましいからって
私は絶対にこのポジションを譲る気はあり
ませんませんからね」
また俺の後ろから声が聞こえてきた。その
声の主は帳だった。帳は歯を食いしばりなが
ら右意を睨みつけている。
「私は羨ましいなんてこれっぽっちも思って
はいない。なぜなら私はそれ以上の関係な
のだからな」
右意は不敵な笑みを浮かべて負けじと言い
返す。
「どっ・・どんな関係なんですか?」
帳はゴクりと息を飲み込んで真剣な表情で
右意を見つめる。
「教えてやろう。私と姓の関係それは竹馬の友という関係だ」
「なっ・・なんなんですかそのいかにもエロ
そうな関係は!?」
帳は赤面しながら驚く。
「ふん。それは君の想像にまかせるよ」
「じゃあもしかしてセクシーからYをとった
ことなんかもしたりしたんですか?」
帳はへんな妄想を頭の中でし始めたようで
、体をクネクネさせて鼻血を出しながら興奮
しはじめた。そういえばこいつ、妄想癖があ
るんだった。ちなみに妄想癖は中二病の初期
症状の一つと言われている。
「それも想像にまかせるよ」
また右意はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「お前もややこしくなるようなこと言うなよ
。お前が言いたいのは竹馬の友
だろ。てか昨日あったばっかで、俺たちは
竹馬の友でもなんでもねぇだろうが」
「てことはやっぱり嘘ついてたんですね」
帳は鼻血を止めるためにティッシュを鼻に
詰めながらホッとした様子で言った。
あんまり年頃の女の子が鼻にティッシュを
詰めるのを人前に晒すのは良くないと思うん
だが。鼻の穴大きくなっても知らないよ。
「チッ。バレたか。なら自己紹介をしておこ
う。私は今日この学校に転校してきた左月
右意だ。夜路死苦な」
右意は不機嫌そうな顔を浮かべ、一回舌打
ちをしてから帳に自己紹介した。
「私は土ノ日帳です。姓さんの舎妹
をしています。以後お見知りおきを」
帳も右意に自己紹介をした。これが右意と
帳の出会い。初対面。ファーストコンタクト
となった。そして二時間目を知らせるチャイ
ムが鳴った。帳は俺とクラスが違うため
「ではまた放課後」
とだけ言い残し、慌てて自分の教室へと帰っていった。
これは余談なのだが、なぜ帳が俺の舎弟に
なったのか?。(俺は帳を舎弟にした覚えは
ないけど)そんな話をしよう。
咲夜高校。二年。土ノ日帳。17歳は先程も
言ったが男子から絶大な人気がある。俺と帳
が初めて出会ったのは、嫌がっている帳に無
理矢理告白を迫ろうとしていた野球部の男子
を俺が追っ払ってやった時である。帳、曰く
大概の人は一度断れば諦めてくれるらしいが
、さっきの野球部の男子は何回断っても諦め
てくれないらしい。まぁ、とにもかくにも、
それがきっかけとなり、あと土ノ日家の怪し
い掟などもあって今に至るわけである。




