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奇妙な音  作者: stepano
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第六話


 オレンジは「オレンジマーケット」を指しているのだ。

「今夜行ってみよう」

「何か分かるかもね」

 ふたりは秘かに相談した。


 外に出ると吹雪になっていた。


 蘭と別れて駿は家路に急ぎながら「サイクルⅹ」の暗号のことを考えた。深尾が電子理論の法則でチップのサイクルⅹというのがありそれはとてつもなく宇宙に広がっていく迷路構造になっているという。

「宇宙か…」

 駿は溜息をついた。


 吹雪が激しくなった。視界はゼロに近かった。

 眼をあけていることが苦痛になってくる。

 消えた黒マントの男はどこへ行ったのか。

「見つけ出してやるぞ」

 駿は心のなかで叫んでいた。


 家に戻った駿はバイト先の正宗さんにもう一度確かめようと電話をすることにした。

 しかし、

「笛吹き女のことかい?」

「どんな服装をしてたかって?…覚えてないよ。聞いた噂だしなあ」

 と会話はそれで終わった。

 結局、蘭が聞いたという赤マントの確証は得られなかった。

「やれやれ」

 ソファに座り込んだまま駿は自分の部屋の壁を眺めつづけた。


 疲れのせいか眠気が襲ってきた駿は知らぬ間に眠りに落ち込んでいった。

 遠い宇宙の色が虹のように頭のなかを駆け巡った。

 音が聞こえてくる。

 静かに…

 遠くに聞こえている。



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