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オープニングムービー
目が覚めると、白い空間にいた。
ここから宇宙が始まったと言われても納得できるような、白いだけの、何もない世界。
「もしもーし」
どこからかソプラノの声が聞こえた。振り向くと、微笑を浮かべたギリシアの女神のような服を着ている女性が一人。
「あなたは?」
「何者かなんてどうでもいいじゃない」
どうでもいいものなのか。そう思いつつも、頭があまり回らない。
「ここは死後の世界か?」
「いいえ、あなた『は』、まだ死んでない」
「……つまり?」
「ここは時空の狭間、とでも言っておこうかな。本来死ぬはずだったあなたは、とある人物のせいで時空に乱れが生じて、今ここにいる」
「待ってくれ何の話だ、そもそもそのとある人物って?」
「何者かなんてどうでもいいじゃない」
それも、どうでもいいものなのか、とぼんやり思ったが、どうにもふわふわした感覚で、相変わらず思考が上手く働かない。
その女性は話を続けた。
「災難だったね、私が見た限りざっと五十人ぐらい死んでたかなぁ、でもあなたの親しい人はほとんど無事だよ」
「ほとんど?」
「覚えてないのかい?」
その女は、悪魔のような笑顔を浮かべた。




