表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ヒロインを虐めてる暇なんて無かった

作者: こうじ

 あら、これは王太子様怖い顔してどうされましたか?


 はい? 婚約破棄?


 はぁ、私が王太子様のお隣にいるカテリアさんを虐めた、と。


 そうですか、私には全く身に覚えがございませんが……。


 え? 証言者がいる?


 そちらの令嬢の皆様が私の指示でカテリアさんを虐めていた、と。


 はぁはぁ、なるほど……。


 婚約破棄は全然構わないんですが誤解があるようなので訂正しますね。


 まず私はカテリアさんとは本日初めてお会いしました。


 そして王太子様とカテリアさんがその様な関係になっていた事も初めて知りました。


 なんせ私、つい最近まで領地に籠もっていましたので貴族学院の出来事は耳に入ってきていなかったんです。


 領地に籠もっていたのは学園長にも許可を取って休学届を出しましたし国王様にも報告しております。


 国王様は『王太子にも伝えておこう』と仰っておりましたが聞いておりませんでしたか?


 え? 聞いてなかった?


 おかしいですね、私はちゃんと報告して王妃教育も中断して領地に籠もっていたんですが。


 あ、側近の皆様方、特に騎士団長の息子であるウィリアム様はご存知ですよね? 我が領地にも来て頂きましたから。


 なんせ国の一大事ですからね、騎士団や魔道士団の皆様にもご協力していただきましたからね。


 え、何があったのか、て?


 スタンピード、魔物の大量発生が我が領地で起こったんです。


 我が領地は魔物が発生しやすい地域なので年に一回はスタンピードが起こるんです。


 その都度、家族や領民、偶に騎士団や魔道士団の皆様方のお力を借りて討伐しているんです。


 えぇ、私も当然参加していますよ、私一応私設騎士団の団長を務めておりますし冒険者資格も持っておりますので。


 因みに冒険者ランクはSランクです。


『百発百中のエリス』なんて冒険者仲間や領民から呼ばれております。


 そのスタンピードが終わったのがつい先日の事です。


 今回はかなり時間がかかってしまい1年もかかってしまいましたわ。


 それでカテリアさんはいつ王太子様とお知り合いになったんですか?


 ちょうど1年前ですか、だったら私が休学した後ですから知らないのも当然ですわね。


 さて王太子様、顔も名前も知らない相手をどうやって私が虐めるのでしょうか?


 あらあら、最初の勢いが無くなって顔色が悪くなってますわよ、カテリアさんも震えていらっしゃいますし。


 まぁ王太子様は昔から人の話を聞かないし見下してましたからね、それで国王様から散々注意されてきましたよね?


 そういえば国王様は『次に愚息が何かやらかしたら王太子の座を剥奪し再教育をしなければならん』とも仰ってました。


 あら、警備兵の皆様方がこちらに向かって来てますわよ。


 そんなに暴れると怪我しますから大人しくした方がよろしいと思いますわ。


 あぁ、虚偽の証言をされた方は公爵家から正式に抗議させてもらいますので。


 え? 王太子様に脅された?


 でも善悪を判別出来る年齢ですから結局ご自身の判断ですよね?


 ですからちゃんと罰を受けてください。


 皆様、お騒がせしました、せっかくの卒業記念パーティーですので仕切り直しと参りましょう。



 さて、その後の事を少しだけお話しましょう。


 王太子様は数々の失言や行動、そして勝手に婚約破棄を宣言した結果、王太子の座は剥奪、我が領地とは別の辺境にて再教育を受ける事になりました。


 カテリアさんは王太子様を誘惑した、という事で身分剥奪して平民となり、更に莫大な賠償金を抱える事になりました、今では寝ずに働いているようです。


 そして嘘の証言をした皆様は我が家から抗議を受け勘当を言い渡され平民落ち、日々の暮らしに四苦八苦されているようです。


 そして、私ですがしがらみも消えたので本格的に冒険者活動をしようかな、と思っております。


 恋愛? 暫くは遠慮いたしますわ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ