第三十話
闇バイトのくせに意外とホワイトか?
過呼吸終わった若い兄さんは携帯を取り出してタクシーを呼び始めた。
ブラックとホワイトが相殺してしまった普通バイト民のタクシーが見えなくなったことを確認して、本屋に向かった。
この頃は新刊が多いらしい。
比較的都会なのも相まって新作コーナーには様々な本が並んでいる。
その中では特に何冊かの表紙に共通する赤髪の女性らしき人物が目立つ。
20冊ぐらいが並んでいる中で赤色は目立ってしまう。
へぇ、意外と目立つもんだなぁと思いながら図鑑コーナーへ向かう。
子供向けの図鑑に対し案外大人向けの図鑑は多かった。
いや、大人向けというよりは子供向けより対象層が高いといったところだ。
私たちは図鑑を開いたり閉じたりページをめくったりしながら本来の目的での薬草の画像探しを始めた。
対象層高めの図鑑を全て見る事に終わった時、私たちが知ったのは一般的ではない薬草だという事。
何かしらの冗談のつもりか由紀は子供向けの図鑑を開き、「空想の植物」というページを眺めていた。
虹色の背景に、白く、四角くハイライトされていた。
下の方には、
「空想の植物を募集しています。」
という文言と宛先の記載があった。
らしき人物(ここ重要)




