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第二十一話
でも由紀が危ないかもしれない。
いままでに1どもきいたことのないようなやさしいこえがする。
こころのそこからのなにかをかんじる。
「ロツ...?」
「ひさしぶり。」
「ロツ...!」
「いままでふういんされてたけど、やっとぬけだせた。」
「ありがとう...!」
「あくまのばしょはしってるから、ついてきて!」
「うん!」
力が抜けかけていた由紀...いや、今は、ロツの体が立ち上がり、歩き始めた。
私もそれに着いていく。
ロツを信じて数キロ程だろうか。もう少し歩いただろうか。
歩いた先に待っていたのは、人にあふれた港だった。
「むこう。」
ロツの指さした先を見ると、悪魔がいた。まだこちらは気付かれていないようだ。
本物だと願い、近づき、声をかけた。
「あの...?」
悪魔は私に気付き、こう返した。
「まさか来るとは思わなかったが、約束は約束だ。」
ロツが入った箱を渡し、悪魔に頼んだ。




