第6話 後輩と彼女
アームガードを装備した俺は早速森で粘着糸の性能を試そうとしたのだがギルドを出る前に声をかけられた。
「依頼を受けていかれてはどうですか?」
「期限内に間に合わそうにないので遠慮しときます…」
俺は面倒くさがりなのだ。
ちまちまモンスターを倒してアイテムを集めればいい。
「無期限の依頼もありますよ?」
無期限…なら受ける価値はあるか。
「じゃあ見せてください。」
「こちらになります。」
『魔石×30の納品
報酬1万ゴルド
特殊鉱石×10の納品
報酬6万ゴルド
ゴブリン×100の討伐
報酬10万ゴルド
ダンジョンの完全攻略
報酬1000万ゴルド
ページ1▶︎』
だったらまあ…全部受けとくか
「とりあえず全部で」
「了解しました。」
森に着いた俺は早速武器スティックを粘着糸に変えて性能を試して見た。
まず全身を軽くして、ジャンプしてから粘着糸を木に付ける。
そして思いっきり引き寄せる!
俺の体は上手く木に向かって飛んで行ったがぶつかりそうになった。
なので思いっきり枝を蹴る。
「ギシャァァァ」
叫び声とともに折れた枝から3つの卵とトゲだらけの鳥が落ちてきた。
鳥は落下する卵を体で受止め3つとも無事に地面に置いてから俺を見る。
『スパイクバード Lv7
2つ名
なし
ステータス情報
HP不明
攻撃力不明
防御力不明
賢さ不明
魔力量不明
俊敏不明
属性、弱点
不明
スキル
不明』
あんまり強くなさそうだ。
武器を雷鎖に持ち替えてスパイクバードにまきつける。
そして第一ボタンを押して電流を流す。
「グェェェ」
悲鳴と共に合計150ダメ。
軽重操作がないとこんなもんか。
武器をバットに持ち替えてから動きが鈍っているスパイクバードに銅玉を打つ。
「軽化重与!」
90ダメ。
もう2発与えて合計273。
「やれセリナ!」
「キュー!」
後ろからさしてとどめ。
初心者だが上手く戦えてると思う
『経験値を25獲得しました。
モンスター図鑑にスパイクバードにが追加されました。』
さあて死体回収
「セリナいつも通りよろしく」
「キュー」
「…」
ダークエレメントが不満そうにこちらを見ている…まあいいや
『スパイクバードの魔石×1を獲得しました。
スパイクバードの爪×6を獲得しました。
スパイクバードの嘴×1を獲得しました。
スパイクバードの丸ごと肉×1を獲得しました。
スパイクバードのトゲ×19を獲得しました。
レアドロップ品
スパイクバードの内臓×1を獲得しました。
スパイクバードの卵×3を獲得しました。
バッグの残り容量
42/100』
卵自動で回収されてるじゃん!
てかレベルアップいつだよ!
『雷鎖は特殊武器スキルのためプレイヤーと共に成長します。
その時に経験値の半分を取られるのでご注意ください。』
クソやん。
強いから許すけど弱い武器でこれなったらどうするん?
てか時間的にそろそろログアウトしないとやばい。
確かログアウト時は街の宿屋に行かないといけないらしいので粘着糸を木に付けてアメリカの某蜘蛛ヒーローのように移動しているとモンスターを一瞬で細切れにしてる人物を見た。
もしプレイヤーキラーだったら俺は為す術なくやられる気がしたので急いで逃げているとそいつは指から粘着糸のようなものを出して追いかけてきた。
「君俺のファン?粘着糸で移動してるっぽいけど使い方教えてあげよか?」
聞き覚えのある声…というか夜月確定。
「そんな感じでナンパしてるから彼女出来ないんだぞ?夜月」
「その声…もしかして先輩!このゲームでも会えるなんて嬉しいなあ!夜月やで!」
よく見ると夜月は現実と髪の色を変えただけで茶髪糸目関西イケメンになっている。
元々イケメンな分キャラメイクをする必要あまりが無いのが羨ましい。
「最強の糸使いなんだって?しかも上位100位に入ってるとか…どんだけ強いんだよ」
「このゲーム現実世界での武器のうまさも結構関わってくるからなー
先輩ボウガンとか手甲とか向いてそうやで?後で買ってあげよか?」
ボウガンに手甲ね…おそらくエイムがクソいいのと護身用にメリケンサック持ってるから夜月はこう言うのだろう。
雷鎖にハマっているので正直しばらくはこれでいいのだが…
経験値吸われるので他の武器も少し使いたい。
「そうしてもらいたいけど時間的にそろそろログアウトしなきゃ行けないから明日頼む。」
「そっか先輩今日愛菜さん家に来るもんな………
宿屋まで高速で連れてくで!」
夜月はそう言い俺の体に糸をめちゃくちゃ巻き付けて俺の3倍位のスピードで宿屋まで連れてってくれた。
ちなみに愛菜とは俺の彼女の名前である。
家でナニをするかはお察しの通りなので早めにログアウトしたかった。
「ついたでー。楽しんできてな。」
宿屋に着いた俺はログアウトを選択しゴーグルやスーツを脱ぎ始めた。
全部脱ぎ終わり片付けた所でちょうど玄関のインターホンが鳴った。
「はーい!」
俺が超嬉しそうに扉を開けるとそこには俺より少し背の高い金髪巨乳美女がいた。
そう。俺の彼女の愛菜である。
1歳年上で高3。とても可愛い。
「会いたかったぞー!啓悟!」
「入ってー」
ドアが閉まる音が聞こえた瞬間愛菜に思いっきり抱きつかれた。
この後何があったか詳細は伏せるが…
最高でした!