第4話 防具購入
さーてモンスターいねえかな?
「グルルル…」
そんなことを考えていると近くに1匹の赤毛のオオカミがやってきた。
『ブラットウルフ Lv4
2つ名
血に飢えし獣
ステータス情報
HP不明
攻撃力不明
防御力不明
賢さ不明
魔力量不明
俊敏不明
属性、弱点
不明
スキル
不明』
さっきのエッジアントよりは強そうだな。新スキルとナイフの実験台になってもらおう。
「雷鎖!オラァ!」
俺は武器を雷鎖に切りかえて思いっきりブラットウルフの胴体に叩きつける。
「グルゥ!」
82ダメ。
『雷鎖使用中に第1ボタンを押すと雷鎖が触れているものに電流が流れます。』
次は今言ってたのともう1つを試してみる。
「重化!重与!」
どうやら第2ボタンを押しながら叫ぶことで軽重操作は出来るらしい。
そして俺は雷鎖がブラットウルフに触れ、140ダメが出たのを確認して第1ボタンを押し電流を流す。
「追撃!」
43ダメ。意外と低い。
「グゥゥゥルゥ…」
『雷鎖の電流が流れた対象は少しの麻痺効果が付与されます。』
てことは近寄ってナイフ試せるか。
武器をナイフに切り替える。第1ボタンの効果はなんだろう?
ナイフを投げるとか?
「重化軽与!」
俺は第1ボタンを押した。
すると予想通りナイフは照準に向かって飛ぶ。
命中した、ダメージは80。
「グル!グルゥゥ!」
「うわ!」
ブラットウルフから大量の血の刃が飛んできた。足にヒットし30ダメ。
残りは全てバットで相殺した。
『経験値を30獲得しました。
モンスター図鑑にブラットウルフにが追加されました。』
どうやら自爆技だったようだ。
死体の回収をしないと…
「セリナ、魔石とって。」
「キュ!」
『ブラットウルフの魔石×1を獲得しました。
ブラットウルフの足×4を獲得しました。
ブラットウルフの頭×1を獲得しました。
ブラットウルフのしっぽ×1を獲得しました。
ブラットウルフの肉×19を獲得しました。
ブラットウルフの毛皮×1を獲得しました。
レアドロップ品
ブラットウルフの心臓×1を獲得しました。
バック容量を超えますので捨てるアイテムを選択してください。
おすすめ
エッジアントの端材×8
ボストレントの端材×13』
めんどいからこれでいいや。
バック容量が満杯になってしまったのでモンスターと出会わないことを願いながら街へ進む。
10分ほどで建物が見えてきた。
「あれがゴーヤの街か…」
「キュー」
プレイヤーキラーが出てくる可能性を考慮して遠近両用のバットに武器を変えておく。
期待と不安が入り交じる中俺は街へ進む。
人が見えてきた。
プレイヤーかNPCか分からないが取引をしているようだ。
片方がなにかの肉を渡しもう片方が硬貨を渡している。このゲームにも金の概念はあるようだがモンスターからドロップしないことを考えると素材を売ったりしなければならないのだろうか?
「こんにちは」
赤髪の女に話しかけられた。
プレイヤーキラーでは無さそうだ。
「こんにちは。一つ質問してもいいですか?」
「構いませんよ。」
「硬貨はどこで手に入りますか?」
俺はゲーム内で重要になってくるであろう硬貨の入手法について尋ねた。
「ダンジョンを攻略するかNPCや他のプレイヤーと取引することで貰えますよ。」
なるほど…ダンジョンなんてあるのか
「ちなみに価値としてはどれくらいですかね?」
「売却だとスライムの核が500ゴルド。初期武器が5000ゴルド。竜の鱗が1枚5万ゴルドとかですかね。
購入は装飾付きの革服が1万ゴルド。100回復薬が3万ゴルド。竜の鎧が300万ゴルド。
その他サービスだと。宿屋が5000ゴルド。素材加工が3万ゴルド。護衛が1日10万ゴルドとかですかね。」
商売やってる方が儲かるな…
加工系スキル欲しいなあ…あと売る所、、聞かないと
「売却はどこで出来ますか?」
「ギルド、露店、プレイヤーとの直接取引ですかね。
ギルドは基本的にNPCが売買を行いますので騙されることはありませんがその分あまり高く売れません。
逆に露店やプレイヤーとの直接取引では需要によっては超高値で取引されることもあればとんでもなく安い金額で買い取られたりしますね。プレイヤー間で取引する前にギルドで最低価格を見ておいた方がいいと思いますよ。」
なるほど…じゃあまずギルドに行くか
「ありがとうございました。」
えーと…ギルドは…マップ見れば分かるか。
どうやら街の中心にギルドがあるらしいのでそこに向かう。
「そこの兄ちゃん!この鎧5万ゴルドで買ってかない?」
胡散臭そーな露店のおっさんに話しかけられた。多分プレイヤーだ。
買いたくても所持金がなくて買えない。
まずまず買いたくないけど…
「すいません…このゲーム始めたばっかで所持金ないんで…」
「じゃあ素材買い取ってやるよ。見してくれ。」
『プレイヤー『ソルト』に対してバックの中身を開示しますか?
YES◀︎/NO』
街中で殺される可能性は低いだろうしそもそもそんないいアイテム持ってないはずだからYESで
「…ふむふむ…ってお前!ボストレントを倒したのか!?初心者があのモンスターを倒すとは…どんなスキルなんだ…」
どうやらボストレントは思ったより強かったらしい。
「しかも一角兎をテイム…こりゃ詐欺んない方がいいな。
ボストレントの魔枝が魔法用の杖の材料として優秀でな。1万ゴルドで買うぞ。」
騙すつもりだったのかよ!…1万ゴルドか…鎧を買うかは性能によるな…
「鎧の性能教えて貰ってもいいですか?」
「もちろんさ。
この鎧は鉄の鎧なんだがひとつ特殊な機能がある。
それはこの鎧を着ている時に残りHPが一割をきると鎧が砕ける代わりに着ている者が全回復するって効果だ。」
…詐欺くせえーさっき100回復薬で3万ゴルドって言ってたよな。
「明らかに安すぎると思うんですが」
「鉄の鎧の価格は1個1000ゴルド。
それに俺のスキル自己犠牲を付与することで安価で強い防具が作れるのさ。
兄ちゃんのスキルも武器とかに付与してみたらどうだ?」
自己犠牲ってスキルは軽重操作みたいに物に付与できるのか…でも軽重操作は効果が持続しないんだよなー
「スキルの効果がそんなに長く持続するんですか?」
「スキル付与を使えば永遠に着くだろ?」
スキル付与とは?
『スキル付与とはアイテムに対して永続的にスキルの効果を付与するものです。
アイテムを持った状態で
「スキル付与『スキル名』」という事で付与することが出来ます。』
なるほど…
「じゃあその装備ください。」
「まいど!」
『プレイヤー『ソルト』にボストレントの魔枝×1を10000ゴルドで売却し、『破壊回復の鉄の鎧』を5000ゴルドで買取りますか?
▶︎YES/NO』
俺は迷わずにYESを押した。
「商品はバックに入ってるからな。」
「ありがとうございました。」
破壊回復の鉄の鎧…多分耐久性はほぼないんだろうけど回復効果の方が恩恵がでかい。
そしておそらくデメリットとして動きが鈍くなる的なことがあると思うが俺の場合軽重操作があるから大丈夫だと信じたい。
俺はバックに破壊回復の鉄の鎧を入れたままギルドへ向かった。