第3話 プレイヤー戦
ボストレントを倒した場所から北西に歩いて行くと木に赤い実がなっていた。
またモンスターだと面倒なので俺がスルーしているとセリナが勝手にとってバックに入れてしまった。
『力の実を獲得しました。
バックの残り容量
66/100』
力の実…食べると攻撃力が上がるとか?
まあどんな効果があっても今食べる必要は無いだろう。
さらに進むとモンスターと思われる音が聞こえた。
「ギギギギ…ギギ…」
虫系のモンスターだろうか?左斜め上から音は聞こえてくる。
木の葉っぱが邪魔をして姿を見ることは出来なかったので何となく音のする方向に向かって銅玉を打った。
「軽化、軽与!」
なるべく飛距離を伸ばすため軽化と軽与で銅玉を打つとすぐに51の文字と共に悲鳴のような音が聞こえた。
「ギギシャァ!」
その声と共に俺の前に5歳児位のサイズのアリとクワガタを混ぜたような虫が現れた。
『エッジアント Lv5
2つ名
なし
ステータス情報
HP不明
攻撃力不明
防御力不明
賢さ不明
魔力量不明
俊敏不明
属性、弱点
不明
スキル
不明』
序盤虫モンスターって所かな?
「セリナ!お前はひたすら羽を狙え!」
「キュー!」
俺はセリナが羽を貫きやすくするためにエッジアントに向かってバットを振るう。
「重化!軽与!重与!」
自分自身を重くしてバットを軽く、エッジアントを重くすることで衝撃を内部に伝えさせる。
こういう虫モンスターは大抵外骨格が硬すぎるので中からダメージを与える。
「ギギ!」
外骨格の内側でなにかが揺れる感覚と共に小さな文字で127が見えた。
どうやら俺の予想通り外が硬く中が柔いようだ。似たような方法で次は横なぎ。
「オラァ!」
「ギギ!ギシャァ!」
痛!このゲーム痛みも分かるのかよ!
67の数字と共に左腕が痛む。
俺の攻撃を避けられた上に反撃を食らってしまった…が!今がチャンス!捕まえてセリナに羽を貫かせる!
「軽化!」
エッジアントの胴体を思いっきり掴む。
これは予想外だったようで腕の中で暴れる。
お互いダメージは無い。
「キュー!」
セリナが草むらから飛び出て角でエッジアントの羽を貫く。
飛行能力が無くなったのを確認し俺はエッジアントから手を離し頭をバットで思いっきり叩いた。
「重化!重与!重与!」
これが俺に出せる最大限の威力。倒れてくれよ?
「ギギギシャァ!」
『経験値を35獲得しました。
レベルが8になりました。
基礎ステータスが向上します。
モンスター図鑑にエッジアントが追加されました。』
『エッジアント
レベル1時のステータス情報
HP200
攻撃力98
防御力12
賢さ12
魔力量0
俊敏130
属性、弱点
風属性。外骨格の隙間が弱点。
スキル
羽飛行
攻撃離脱』
速さ特化って感じだな。
まあ倒せたならよし!
死骸の回収は…魔石取ったら自動解体されるのかな?
「セリナ、魔石どこにあるか分かるか?」
「キュー!」
『エッジアントの魔石を獲得しました。
バックの残り容量
67/100』
この表示が見えると共にエッジアントの死骸が崩れた。
とりあえず全部バックに…
『エッジアントの足×6を獲得しました。
エッジアントの顎×2を獲得しました。
エッジアントの外骨格×1を獲得しました。
エッジアントの羽×3を獲得しました。
エッジアントの壊れた羽×1を獲得しました。
エッジアントの端材×8を獲得しました。
レアドロップ品
エッジアントの命の欠片×1を獲得しました。
エッジアントの複眼×1を獲得しました。
バックの残り容量
92/100』
容量やば…街に着いたら売れたりするのかな?とりあえず街まで残り半分ほどの位置に到着したので俺とセリナを軽くして早く街に着けるようにする。
街の建物が見え始めた頃。
木の上に人影が見えた。
「お兄さん新人?一角獣を連れてるって事はスキルは奴隷化とか召喚獣とかその辺かな?アイテム全部置いてってくれれば命は取らないで済むよ。
…断ったら僕の雷鎖の最初の犠牲者になっちゃうけどね。」
金髪の男が雷でできた鎖を軽く振り回しながら俺に言う。
こいつはプレイヤーキラーか何かか?
でも最初の犠牲者って事は多分プレイヤーと戦うのは初めてだろう。
話し合いでの和解は無理だと思うので先手必勝。銅玉でヘッショする!
「重化軽与重与!セリナは隙を狙って腹辺り貫け!」
「キュー!」
俺が放った銅玉は金髪男の頭に当たる。
ヘッショ補正があるのか96ダメ。
「いってえ!遠距離武器でそのダメかよ!」
話してる暇があったら攻撃しろよ…俺は2発目を叩き込む。
「重化軽与重与!」
ちょっと外れて胴体に。87ダメ。
「ッチ!クソ野郎が!」
俺に向かって雷の鎖が飛んでくる。良けれそうにない…だったら!
「重化!」
雷の鎖が俺の身体に巻きついてくる。
毎秒13ダメと当たった時のダメージが98…痛すぎる。
「かかったな!これで終わりだ!」
金髪男が俺に近づきながら鎖を持っていない方の手にナイフを構える。に
だが俺には見えている。
木の上にいるセリナが!
「やられちまったな…」
演技力は昔からあるので金髪男の油断を誘う。うあてつえ
「意外と弱かったな新人さん。」
「キュー!」
金髪の後ろの木からセリナが出て来て腹を刺す。
「痛!」
「ありがとセリナ。重化重与!」
俺は思いっきり金髪男の脳天にバットを当てた。
150ダメこれでも死なないので追撃を入れる。
「重化重与!」
クリティカルの文字と237の数字が見えて金髪男は絶命した。
『プレイヤー『タツヤ』を殺害しました。
スキル『雷鎖』を獲得しました。』
経験値入んないのか…雷鎖ね。どう使うのかな?
『スキル『雷鎖』は特殊武器生成スキルなので武器スティックの第三ボタンを押して表示されるメニューで切り替えが可能です。
武器スティックをもう一本購入すると2つの武器を同時に使用できます。』
バットとどっちが使いやすいかな?
軽重操作と相性がいいのはバットだと思うけどせっかくのスキルを無駄にはしたくない…
ちょっとモンスター見つけて実験してみるか
そんなことを思いゴーヤの街に向けまた足を進めていると
「キュー!」
セリナが金髪男の死骸を漁ってナイフを咥えて戻ってきた。
『ナイフを獲得しました。
バックの残り容量
93/100』
武器が一気に増えたな…明日武器スティック買いに行くか…