9/32
第九回 「そんなの分からないわよねぇ。
「そんなの分からないわよねぇ。実際この目で見なくちゃ」
「方法があるかね」
「体操着を着ていれば、あるいは……」
「それだ!体操着!彼はサッカー部よ」
「なんで知ってるの?」
「今日調べた」
アオは得意げに言った。そして朝の時のようにまた懐から例のイケメンノートとやらを取り出した。
「どおりで休み時間の時、姿が見えなかったわけだ」
「まったく……」
チハルは感心を通り越して呆れた。
「では、調査の報告をいたします」
アオは仰々しくそう唱えてから、ダイアの情報を披露した。
「名前、神宮ダイア。性別は男。2-A。サッカー部。腰まで伸びた長い金髪をなびかせて歩く。あまりに異性にモテるので、うんざりして、あえて女の子のような風貌に変えたという。しかし、その甘美な仕草、華奢な肉体、中性的な顔立ちも相まって、今度は同性からの視線も熱いとか」
「オォ~ホッホ」
ミドリは手をたたいて、嬉しそうに欲にまみれた奇声をあげた。
「同性からもモテるって、これは捗るね」
「もー不潔だよ」
チハルは止めに入ったが、ほほを染めているあたり、まんざらでもないらしい。




