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第七回 アオは懐から手帳を取り出すと
アオは懐から手帳を取り出すと、指をペロっと舐め、ぺらぺらとページをめくった。
ミドリが聞く。
「なにそれ?」
アオは意気揚々と答える。
「私が調べた。その名もイケメンノートよ。クラスの美男子はもれなくここに載ってるわ」
「入学早々そんなの作ってたの?」
「恋は早い者勝ちなの!」
アオは書いてある情報を指でなぞりながら読んで、顔をしかめた。
「おかしいわね。金髪っていっても、あんなに髪の長い男子の特徴はどこにもかいてないわ。私のこれは同学年だけだから、まず、先輩ね」
アオは慣れた手つきで手帳をパタンと閉じて懐にしまった。
三人は再び歩き出した。
もうダイアは目の前である。すれ違いざまにアオとミドリは大げさに礼だけをした。しかし、ダイアは二人に目もくれず、チハルだけを見ていた。
チハルは目を合わせられなかった。不気味な視線を感じながら、足早に下駄箱へ向かった。
これがチハルとダイアの最初の出会いだったが、あまりにあっけなさすぎる。二人が深くかかわるのは、この後の放課後からだ。




