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第二十七回 このごろのチハルは浮かない
このごろのチハルは浮かない顔をしていた。時折あの会議のダイアの怒号が脳裏に浮かぶ。あんな残酷な光景は初めて見た。あれが社会の現実。自分は生き残れそうにない。
チハルの相談に乗ったミドリは相変わらず冷静だった。
「仕方ないわよ。それでも私たちは必死に生き抜くしかないのよ」
「自分で自分の首を絞めながらね!」
チハルは勢いよく机にうつ伏した。
「あんた最近なんか変わったわね」
「変わった?」
チハルは心外という面持ちでミドリを見た。
「なんか、たくましくなったというか。目つきも鋭くなった気がする」
「私が……?」
チハルは自分の顔に手を触れた。ダイアに最初、平和な目をしていると言われた。それが今、彼のように自分は変わっていってるのか。




