第二十六回 「あーもうええわ。
「あーもうええわ。つまり生徒は増えるんやな?」
「そうです!」
「ちがいます!生徒は増えません!」
ダイアはいら立ちを抑えられなかった。
「監督!あなたは確かに昔は功績のあった方でしょうが、試合がなければ不要です!邪魔者です!消えたほうがいいんだ!」
「な、なに?君……!」
監督はひどく興奮すると、激しく咳き込んだ。口にあてたハンカチに何かを吐き出した。それを見ていたチハルはすぐに介抱してそのまま一緒に退出した。その時のチハルがダイアを見る目は疑問に満ちていた。
静まり返った会議室に校長の声が響いた。
「よろしい!ダイア君、君に任せよう!しかしだ、さっきの宣伝の話はなしや」
「え?」
「金をかけて宣伝をする、これは子供にでもできるわ。金をかけずにやる。そこが君の思案や」
ダイアは動揺した。
「しかし、校長……!」
「ない袖は振れんのや!」
校長はそう言い放って、速やかに退出した。ほかの役員たちも続いて席を立つ。すると、一人が笑みを浮かべながらダイアのところへ近づいてきた。
「ダイア君」
「は……?」
「ここだけの話だがね。僕ら君を将来的に役員に推そうとしているんだ」
「はぁ」
「だから君、ここで腕いいところを見せてくれたまえよ」
「はい……」
(役員……悪くない。将来的に権力を握れる)
ダイアは強い決心をしながら、湧き出た額の汗を拭った。




