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第二回 チハルはのんびりとした性格だ。
チハルはのんびりとした性格だ。大きな目標もなく、ただ時の流れに身を任せている。もっとも、のんびりとしているように見えて、実は野心に溢れているという人もいるだろうが、チハルは例外なくのほほんとしている。この学園に入学したのも家から近い。それだけの理由だ。
西桜学園は学力も平均的、目立った特徴もない。勉強しなくても卒業できる。
チハルの将来のビジョンは何もない。いくら平凡な学園でも誰かしらは何か期待を持っているはずだ。大学受験、就職、学園生活で送る青春。
しかしチハルは、
(たかが3年。なにがある。人生は長い)
と、達観していた。
これが大きなビジョンを描ける戦略家なら許されるであろうが、残念ながらチハルにそんな頭はない。ただの怠け者だ。
一方で、2年生になった神宮ダイアは1年生の時から、将来の理想像を描いていた。そしてそれは抜け目なく、着実に進められていった。
そんな対照的な二人がこの先出会い、どういう結末となるのか。交わりぶつかり合うことで、チハルの無垢な心に問いかける。




