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第十二回 サッカー部の部室は校舎とは別にあり


 サッカー部の部室は校舎とは別にあり、サッカー棟と呼ばれる横に長い建物にあった。チハルはてっきりどこかの教室を借りるのかと思っていたから驚いた。


「こんなものまであるんだ……」


「西桜学園は少し前までサッカーの名門校と言われていたんだ」


 ダイアは少し険しい目つきになったが、チハルは気づかなかった。


「さあ、入って」


 チハルは言われるがまま従った。まだ抵抗する手は残っていたが、ここまでくると話だけでも聞くだけ聞こうという気になれた。

 ミーティング室といわれるそこは、椅子と長い机が整列し、大きな黒板、隅っこに大きなテレビがあった。

 二人以外に誰もいない。


「ほかの部員の人は練習してるんですか?」


「今日は休みなんだ。だが、地区予選が始まれば、休みは一日に減らすつもりさ」


 大会は近い。ダイアは並々ならぬ決意で燃えていた。チハルもどこかそれを感じ取った。


「するつもりって、先輩が決めてるんですか?」


「そうさ、僕は胃弱(いよわ)な監督を抱き込んで、2年でチームのキャプテンになった。縁故組が優遇されるこの西桜学園でだ。僕は実力で今の地位を勝ち取った」


 ダイアの語気は強くなっていった。その真剣な眼差し、チハルは恐怖さえ覚えた。


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