第10話 私達の
「法川さんお待たせ!今入ってる『患者様ペット』が終わったら見てもらえるって。」
表の駐車場脇のベンチで待っていた法川さんはホッとした様子で、
「あ〜、良かった。ワンちゃん、にゃんこちゃん、もうすぐですからね〜?」
まるで赤ん坊をあやすように話し掛けた法川さんを見て、ドキッとしたのは何故だろうか?
「ただね、条件が有ってね。飼うことが出来て、診察料の支払いが出来ること。」
「ん〜、支払いは大丈夫だけど…………」
「まあ、後で相談しようよ。」
『クゥ〜ン…………………………………』
『フミャ……………………………………』
「あと、もう一つ有ってね、名前を決めなくちゃいけないみたい。問診票に名前書く欄が有ってね。一応空欄で出してきたけど。」
「そうか〜、名前か〜、『私達の』ワンちゃんにゃんこにか〜。一緒に考えてね!」
………………………………『私達の』?
……………………………………一緒に!
そんな風に考えてくれるなんて、嬉しいっ!
多分だけど、今僕は、顔が真っ赤になってると思う。
黙り込んだ僕に気が付いた法川さんは、真っ赤になった僕の顔を見てしばらく思案した後に、
「………………………………あっえっ、とっそっ、なっ名前!」
失言ではないんだろうけど、『私達の』って無意識で言ったんだろうけど、急に恥ずかしくなったんたろうけど、真っ赤になった法川さんを、また可愛いと思ってしまった。
『クゥ〜ン…………………………………』
『フミャ……………………………………』
「……………………………………………」
「……………………………………………」
不思議そうに僕達を見上げる、ワンコとにゃんこ。
気まずくなった僕達は、俯いたまま呼ばれるのを待ち続けた。




