第1話 見つけてしまった
捨犬捨猫なんて都市伝説だと思っていた二人が偶然出会い結ばれるまでのお話
雨上がりの金曜日夕方。
帰宅部の僕は、一旦家に帰りランニング用のウエアに着替えてウエストバッグにスポドリ一本とタオルを入れて、近所の土手沿いのいつものコースを走り始めた。
高校入学してから一月余り。
ボッチな僕は、部活の勧誘すら受けずにこうして一人で毎日走り続けていた。
何がいけなくて、友達が少ないんだろうか?
彼女いない歴、年齢に同じ。
自己評価、容姿中の下。はっきり言って、モブ。
成績優秀、これは自己評価ではなく自慢できる。
性格、『優しい』らしい。
らしいと言うのは、以前幼馴染みに告白した時の断り文句が『優しすぎるから』だったから。
この幼馴染みは、今は粗暴な彼氏とお付き合いしている。粗暴と言うよりは『暴力的』に見えるんだけど、何で僕があんな奴に負けるんだろうか。時々、怪我までさせられてる様子だし。僕には彼女の気持ちや趣味が理解できなかったりする。
もう冷めてるから、どうでもいいんだけど。
走り込んで身体が温まってきてから、河原へ降りて土手沿いの階段を駆け上がるダッシュを十本連続で。
まだ地面は濡れているので、降りる時はゆっくりと。いつもは駆け下りるんだけど、危ないからね。
3セット繰り返してから、傍らのベンチで一息ついて、スポドリで水分補給。
日も傾きかけてきて、肌寒くなってきたので今日はもう切り上げてダッシュで帰るかとウエストバッグを手に取った所で、それは聞こえてきた。
鳴き声の主を探すと、階段から少し離れた今はもう使われていない排水口の脇にいた『それ』を、見付けてしまった。
段ボール箱に敷かれた比較的綺麗なタオルに包まれて、小さな鳴き声を上げていた、『どなたかひろってあげてください』と明らかに子どもの字で書かれた紙が添えられていた、真っ白な仔犬と、目が合ってしまった。
作者より
出だしと結末だけ思いついて衝動的に書き始めました。
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