歩兵の価値
陸上兵力の基本は言うまでもなく歩兵である。「歩の無い将棋は負け将棋」と言われる位、歩兵の役割は重大で最重点ポイントである。歩兵を上手に活用出来る国家が天下を取ると言っても良い。
歩兵と一口に言っても、様々な能力が求められる。まず、必須なのが銃剣術や徒手格闘能力等の所謂白兵戦能力である。それに加えて射撃能力も欠かせない。これ等のエレメントが歩兵の質にダイレクトに反映される。それに伴い、体力や各種サバイバルタクティクスが加わりようやく、歩兵として戦力になる。
どんなに技術や兵器が発達しようとも、戦争の勝敗を決めるのは古今東西人間である事に変わりはない。陸上兵力の基本となる歩兵の育成が上手な国家は、国際政治におけるプレゼンスも実用的で巧みだと言う傾向もある。
陸上兵力は基本的に、国防の最後の砦となる一方で、重要な戦いではとどめの一手として用いられる。無論、陸上兵力を海上、航空各兵力と連携して活用するという上級テクニックを駆使する事でエフェクティブに戦いを進めて行けるのだ。
戦争というものは、その様な兵力・兵器をどのくらい上手に活用出来るかを試す機会でもある。戦争は外交手段の最終形態であり、状態ではない。軍事プレゼンスの上手い下手はあっても、全ての国家がその実力を発揮する事を求められる。
一度、戦争が始まってしまえば、平時の取り決め等あってないものである。勝利の要因となるのは、どれだけ相手よりもエフェクティブに軍隊を展開出来るかにかかっている。一人一人の歩兵の戦闘能力が高い事は言うまでもないが、それ等を運用する人間にも、高いレベルの判断力が求められる。
下級兵士はそこまで考える必要はないが、そうした役割があると言う事くらいは、理解しておくべきである。歩兵をきちんと効果的に使えていれば、それなりの戦いは展開出来るだろう。逆にもしも効果的に陸上兵力を活用する事が出来ていなかったとするならば、その先に待つのは敗北である。陸上兵力の運用は全ての国家の課題でもある。それを制して来たものが、現実として勝者の歴史・系譜を残して来た事は歴史が既に証明しているのだ。