少年兵士
世界の現実はいつの世も厳しい。国連は「武力紛争への子供の関与に関する子供の権利条約の選択議定」において、18歳未満の子供を兵士とする事を禁じている。
しかし、この条約は充分に守られているとは言えない。発展途上国においては、子供の権利がしばしば無視されており、少年兵士も多数いる。UNICEFの推定によると、リベリア内戦において、各ゲリラ組織の総兵力の約3分の1が、少年兵士だったと言われ、世界では約30万人に及ぶ子供が少年兵士になっていると言う現実がある。
少年兵士の中には、経済的に貧しい家庭に生まれた事等から衣食住を求める為に志願して、少年兵士に成る者がほとんどである。しかし、武装グループに突如誘拐され強制的に少年兵士として働かせられている者もいる。村を襲い、大人は殺され、子供は身売りされていく。そうなると、少年兵士として戦うしか生きて行かねばならない。
少年兵士を使う軍隊が後を絶たないのは、子供は従順で、命令に従い易く敵から警戒されにくい為である。通常、少年兵士は大人の兵士の世話をしたり、スパイ活動をさせられたり、様々な任務を任される。
だが、旧ソ連製のAK-47の様に軽くて子供でも扱える武器がある事から、最前線に送られる事もある。また、地雷源では部隊の先頭を歩かされる等"消耗品"として扱われる事もある。少年兵士として戦うのは男子だけでは無い。女子にも魔の手は及んでいる。彼女達は、男子同様通常戦闘の任務だけではなく、大人の兵士の性奴隷として扱われる。
あまりにも惨い話だが、アンダーグラウンドの世界に条約は無い。それが現実である。たとえ戦争が終わって日常を取り戻しても、肉体的精神的に傷ついた少年兵士達が正当に社会復帰するのは、かなりの困難が伴う。少年兵士を無くす事はもちろん、実際に少年兵士として使われた少年少女達の教育や心身のケア等、解決しなければならない課題は多い。しかし、その取り組みはまだ道半ばである。沖矢はその不合理な境遇にある少年兵士も救おうとしていた。




