傭兵の歴史
海外の軍隊には「傭兵」と呼ばれる兵士が存在している。傭兵とは、国籍に縛られずに自らのスキルで世界各国の部隊に所属して、給与を得ている兵士の事である。
つまり戦争のプロフェッショナルである。傭兵の歴史は古い。ギリシャの学者兼傭兵隊長クセノフォンが著した「アナバシス」によれば、紀元前431年に始まったペロポネソス戦争の際に、ペルシャの王子キュロスが行った遠征に多くの傭兵が投入されたと言う。総勢5万人のキュロス軍の内実に1万3000人が傭兵であった。
20世紀の事例では、1961年4月に行われたカストロによるキューバへの侵攻作戦で、傭兵部隊が大きな役割を果たしている。旧キューバ軍将校団の元に職を失った元戦闘員等が集まって「アルファ66」と言う傭兵部隊を組織し、国家転覆を企てた。
21世紀に入ってからも多くの傭兵が世界各国の軍に従事している。その中でも最も有名なのが、フランスの外国人部隊である。フランス外国人部隊には、世界130ヵ国から7700人の傭兵が集まっていた。入隊資格は20~40歳の男子で、国籍は問われず、偽名で申し込み出来る。と言うより、入隊すると偽名と偽出身地が与えられ、本名や出身地を捨てねばならない。これは情報漏洩を防ぐ為であり、契約書にサインして入隊すると、フランス陸軍の一員に成る為の訓練が施されて、フランス語から武器の取り扱い方等をマスターする。傭兵とは言え、公務員扱いなので給料も立場も安定している。
採用基準は厳しくなっているが、ジャパニーズ・マフィアの組員が武器の取り扱い方を習う為に入隊したり、強盗や殺人等の重犯罪者が応募する事もあると言う。しかし、そうした日本人の場合、フランス語のトレーニングで挫折する者が多いという。また、重犯罪者は偽名で通っても、指紋でインターポール国際刑事機構に照合され失格となる。




