ベストな選択
「私の人生において連邦軍に所属していた時期は大切なモノでした。」
「しっかり貴様の人生にゼロフォースは刻まれていたか?」
「そうであるならば、私から言う事は、何も無い。」
「お世話になりました。」
「もう行くのか?ゼロフォース隊員に挨拶は済ませたんだな?」
「はい。別れが辛いのでこんな早朝に行きます。」
「一つだけ言っておく。命は一つしかないからな?」
「分かってます。激戦を潜り抜けた間柄じゃないですか?」
「下らん死に方だけはするなよ?」
「相変わらず十文字隊長は手厳しいな。」
「でも安心してください。私は成長しましたから。」
「その成長をここで見納めになるとは、寂しくもあり、悲しくもあるのは生みの苦しみと言う奴だな?」
「朝早くにすみませんでした。」
「お前のいない連邦軍は塩気のない味噌汁だな。」
「未練たらたらじゃないですか?まぁ、私は連邦軍から除隊をする気持ちに変わりはありませんが。」
「貴様の様な人材をまた見つけるよ。」
「またやるんですか?ストロンゲスト・オブ・ザ・ユナイテッド?」
「まぁ、私は大佐だからな。青流元帥が決める事だな。」
「風邪引かないで下さいね?ご飯はちゃんと食べて下さいね?あとしっかり寝て下さいね。」
「今生の別れみたいだな。」
「いつまでも子供扱いはしないで下さい。って(笑)」
「そうだ。こんなことしてる場合じゃなかった。今日は大事なレセプションに行かねばならん。」
「しっかりしてくださいよ、大佐!」
「じゃあまたいつか。何かあれば連絡してくれ。」
こうして沖矢俊才は日本連邦軍を除隊した。志願兵として、充分な功績があった者だけが使用する事を許される名誉除隊権を行使しての除隊であった。沖矢俊才にとって、このゼロフォースにいた数年間の経験は、確かに有意義なものであった。しかし、今後の人生を考えた時、連邦軍兵士として国民の為に尽くすよりも、自由に生きたいと考えるようになっていた。連邦軍の足枷から逃れるならば今しかない。沖矢俊才はそう思った。早め早めに対処しておかないと、言うのが沖矢俊才の考え方であった。それがベストな選択だと信じていた。




